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関税を振り回すトランプのオウンゴール...インドとEUがアメリカを尻目に貿易や防衛の協定締結

THE “MOTHER OF ALL DEALS”

2026年2月4日(水)17時40分
ダニシュ・マンズール・バット (本誌アジア地域編集ディレクター)

インドのナレンドラ・モディ首相は「史上最大の自由貿易協定」だとして、その規模と重要性を強調する。合意の発表に当たり首都ニューデリーを訪れたウルズラ・フォンデアライエン欧州委員会委員長とアントニオ・コスタ欧州理事会議長は、民主主義の2大勢力にとって「ウィン・ウィン」の成果だと称賛した。

今回の協定はインド経済の大きな追い風となり、モディ政権の外交戦略の正当性が証明された。近年、インドはイギリス、オーストラリア、オマーンと相次いで貿易協定を締結。同盟国や友好国を中心にサプライチェーンを多角化する「フレンド・ショアリング」を推し進めてきた。なかでもEUとの協定は、中国に代わる選択肢を求めている先進国の望ましいパートナーとして、インドの地位を確かなものにする。


また、次の総選挙を2029年に控えたモディの政治的立場も強化される。欧州市場を開放させ、インド人専門職のビザ緩和の約束を取り付けたと主張できる。

世界はアメリカを待たない

欧州の産業界は、インドという巨大市場がついに開放されることを歓迎している。欧州の自動車メーカーはアメリカやアジアの競合に対し、インド市場で先行者利益を得るだろう。EUが輸出する自動車の関税は最大110%から10%に段階的に引き下げられる。

インド商工会議所連合会は声明で、今回の協定が「十分に活用されていなかった貿易と投資の機会を一気に解き放ち」、インドがグローバル・バリューチェーンにより深く統合されると述べた。

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