関税を振り回すトランプのオウンゴール...インドとEUがアメリカを尻目に貿易や防衛の協定締結
THE “MOTHER OF ALL DEALS”
今回は貿易と並行して、インド・EU間で初の安全保障・防衛パートナーシップも締結された。この「包括的」な枠組みは海洋安全保障から防衛技術、サイバーセキュリティー、宇宙、テロ対策など多様な分野での協力を深化させる。中国の海軍プレゼンスが拡大しているインド洋での共同海軍演習や、防衛分野での共同研究開発や情報共有も可能になる。
経済と安全保障が融合する
EUが同様の協定を結んでいるアジアの同盟国は日本と韓国のみで、今回の協定はインドを西側の安全保障の枠組みに組み込む重要な一歩だ。また、ロシア製の兵器に依存してきたインドにとっても、軍事連携の多角化に踏み出す転換点となる。
インドの専門家は、この合意の戦略的な意義を高く評価している。官民出資の投資促進機関インベスト・インディアの元最高戦略責任者シッダールト・Nは経済と安全保障の融合に注目し、「途方もない協定であり、電子機器や防衛、自動車、化学分野のサプライチェーンへの影響は強力だ」と語った。「EUが中国への依存リスクの軽減に本格的に踏み出す最初の一歩となる」
厳格な原産地規則が協定に盛り込まれたおかげで、欧州企業は中国製部品が混入して関税上の優遇措置が無効になる心配をすることなく、生産の一部をインドに移転できる。シッダールト・Nは、今後5年間でインドからEUへの輸出は1500億ドル、EUからインドへの輸出は1200億ドル超に急増すると予測しており、そうなればインドはEUの主要貿易相手国の1つに躍り出る。





