少子高齢化は国防の危機──社会保障を切り捨てるロシアや中国にNATOはどう対抗するのか
NATO Has a Birth Rate Problem
ウクライナも高齢社会だが
人口構成の変化は、イノベーションの進み方にも影響を与えると見られている。政府が年金や医療により多くの公的資源を振り向けるにつれ、防衛産業は公的資金や人材の獲得で不利になり、技術革新を民間部門に外注する必要性が高まるとロイプレヒトは指摘する。
「しかし人口動態がすべてを決めるわけではない」とロイプレヒトは付け加える。生産性、イノベーション、エネルギー価格、経済成長など、多くの要因の一つにすぎないという。
生産を拡大できる産業基盤の有無も、国防力を左右する重要な要素だ。
「米国の強みは、人口の多さではなく、防衛装備を大量かつ継続的に生産できる市場と産業の規模にある。その結果、米国の装備は同盟国のものより安価で、かつ最先端であることが多い」と彼は述べた。
ロイプレヒトによれば、人員という「量」と、技術や人材の「質」のバランスが軍事力維持の鍵になる。
「ウクライナは欧州でも有数の高齢化社会だが、軍事イノベーションのサイクルでは最前線にいる」と彼は語った。
米シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)は2024年の報告書で、加盟国の軍を完全な即応態勢に保つには、複数の政策対応を組み合わせることが重要だと指摘した。





