「フェイクの速射砲」で押し切るトランプ――マドゥロ拘束は「出たとこ勝負」だった

SHAM CAUSES OF WAR

2026年1月16日(金)17時38分
スティーブン・ホームズ (ニューヨーク大学法科大学院教授)

彼女は万能な独裁者ではなく、マドゥロ体制を支えてきた軍部などのご機嫌をうかがわねばならない。だからこそトランプは、アメリカの言うことを聞かなければ「ずっと大きな」「第2波」の軍事介入があるとクギを刺している。

戦略的思考には敵の反応を見越す能力が欠かせないが、トランプは常に「出たとこ勝負」だ。ベネズエラにアメリカの石油会社が乗り込むなら、たぶん米軍による保護が必要になる。


では、その米軍が誰かに攻撃されたらどうするか。トランプは黙して語らない。そんな展開は考えたくもないからだ。先のことなど考えていたら、時機を逸してしまう。

「軍事行動なし」の約束をほご

当然のことながら、議会への事前通知もなかった。民主党の上院院内総務チャールズ・シューマーによれば「トランプ政権は私に、ベネズエラの体制転覆や軍事行動は考えていないと3度も確約していた」。

だが今の議会は、ずっと以前にこの大統領に戦争権限を明け渡している。だから、はなから相手にされない。

合衆国憲法の起草者たちは行政府(とりわけ大統領)に、自らの行動を国民に説明する義務を課した。

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深夜の精密攻撃でマドゥロ大統領拘束に成功したトランプ米大統領の本当の狙いは?

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