人助け? それとも貧困層からの搾取? 20兆円市場に成長した「代理出産」の光と影
SURROGACY UNDER SUSPICION
かつて特殊な選択肢だった代理出産は、今や世界的な産業として急成長している。代理母が得る収益は推計で年間数十億ドルに上る。調査会社グローバル・マーケット・インサイトは24年の代理出産の世界市場を220億ドル超と見積もり、34年には2010億ドルを超え、年間5000~2万人が代理出産で生まれると予測する。
代理出産の費用には弁護士費用、医療費、仲介手数料、代理母の報酬などが含まれ、アメリカでは平均10万~20万ドル以上になる。カナダは長年、より手頃な選択肢として知られ、体外受精を含めても6万~10万ドルとされている。
アメリカやカナダなど一部の国には虐待を防ぐための規制があると、支持派は主張する。アメリカの多くのプログラムでは、代理母の候補者は厳格な健康診断と心理評価を受ける。報酬は出産の結果に関係なく契約書によって保証され、通常は双方に独立した弁護士が代理人につく。
「代理母に応募する人の大多数は審査で落ちる。誰もが簡単に登録できるものではない」とプールダヤンは言う。
「人生を変える経験だった」
5回の代理出産経験があるクレア(プライバシーを理由に仮名を希望)は、制度が整っているからこそ、常に自分の意思が尊重され守られていると感じられたと語る。「どのように今後のプロセスが進んでいくのかも、自分が親になるわけではないことも完全に理解した上で私は人助けしている」





