人助け? それとも貧困層からの搾取? 20兆円市場に成長した「代理出産」の光と影

SURROGACY UNDER SUSPICION

2025年12月17日(水)17時20分
ヘスス・メサ(政治担当)

アーカンソー州出身のKB(同じく仮名を希望)は、金銭面は二次的ではあるが重要だったと語る。彼女はゲイの父親たちのために3回、代理出産を引き受けた。うち1回はHIV陽性のカップルだった。

「報酬はかなり低いほうだった。私にとって代理出産には金銭以上の価値があったから。でも、当時はシングルマザーで、自分の子供たちに残せる資産を築く手段にもなった」


クレアもKBも、代理出産は人生を変える経験だったと語る。クレアは「自分の子供を産んだことの次にやりがいを感じた」。KBは「人生で何よりも報われた経験だった」。代理出産した子供との間に深い絆ができて5歳の誕生日を祝うためにフランスまで行くという。

一方、批判派はたとえ法整備しても、代理出産の根底にある権力の不均衡は解消されないと言う。高額の費用や煩雑な手続き、10〜18カ月の「待ち時間」を敬遠して、東欧や中南米に代理母を求めるカップルは多い。費用は通常8万ドル程度で済み、規制も比較的緩いからだ。

NGO「ディフェンス・フォー・チルドレン・インターナショナル」の創設者で、国際的な養子縁組のルール策定にも携わったナイジェル・キャントウェルは、有償の代理出産は禁止すべきだと考えている。産んだ子供を他者に引き渡して報酬を得る行為は「人身売買の定義に当てはまる」というのだ。

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