人助け? それとも貧困層からの搾取? 20兆円市場に成長した「代理出産」の光と影
SURROGACY UNDER SUSPICION
10年後の出産数は2万人に?
アルサレムの提言に、代理出産を支持する人々やLGBTQ+(性的少数者)家族の団体、リプロダクティブ・ライツ(性と生殖に関する女性の権利)に詳しい弁護士などは即座に反論した。代理母自身が語る「エンパワメントとしての経験」が切り捨てられているとも批判する。
「世界中で性産業従事者が悲惨な事件に巻き込まれているから、セックスを禁止しろと言っているようなものだ」と、LGBTQ+家族のために倫理的な代理出産を支援する国際組織「メン・ハビング・ベイビーズ」のロン・プールダヤン事務局長は本誌に語った。
2001年に代理出産で父親となったプールダヤンは、アルサレムの主張はその動機がイデオロギーに基づいており、代理出産の実態から乖離していると批判する。また、代理出産を法的に整備している国々には厳格な倫理基準があると指摘する。
「倫理的な指針において、報酬は妊娠出産に伴う身体的・精神的負担やリスクへの対価として支払われる。無事に出産に至らなくても、代理母は同額かそれ以上の報酬を受け取る。これが倫理的な代理出産と子供の売買の違いだ」






