FRBパウエル議長が格差拡大に警鐘..米国で鮮明になる「K字型経済」
FOMC後の記者会見で説明するパウエル議長(12月10日) YURI GRIPASーABACAーREUTERS
<アメリカ経済は回復しているのか、それとも分断が進んでいるのか。パウエル議長は会見で、所得階層による消費格差が拡大する「K字型経済」が「明らかな現実だ」と認めた>
FRB(米連邦準備理事会)のパウエル議長がアメリカの「K字型経済」に警鐘を鳴らした。
このところ話題のK字型経済とは、2つのグループ間で格差が拡大している経済状況を指す。Kの字の上の部分は、富と収入が伸び続ける高所得層。一方、下部は収入の伸びが弱く、物価高の直撃を受けている世帯を表す。
つまり、株価や不動産価格の上昇に支えられた高所得層は依然として消費を続けているが、低所得世帯はインフレによる購買力低下や労働市場の逼迫のせいで消費を控えているということだ。
アメリカの現状は確かにそうだ。米金融大手のバンク・オブ・アメリカの調査部門のデータによると、9月の低所得世帯の支出は前年比で約0.6%の増加だったのに対し、高所得層の支出は2.6%増。所得階層間で消費の勢いに明らかな格差が見て取れる。
12月10日の連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、この状況の持続性を問われたパウエルは、長期間続く確信はないが、K字型経済はFRBのデータでも「明らかな現実だ」と認めた。






