最新記事
韓国社会

若者から中高年まで ── 韓国を襲う「自殺の連鎖」が止まらない

2025年12月1日(月)14時40分
佐々木和義

ソウル地下鉄のスクリーンドア

ソウル地下鉄3号線玉水(オクス)駅のスクリーンドア。ソウルの地下鉄は転落防止と飛び込み自殺を予防するため全面スクリーンドアを設置しているが、車両との間に挟まれる事故も起きている(撮影=筆者)

有名人の自死などが与える影響

40代の自殺が多かった要因としてメンタルヘルスの専門家は、著名人の自殺が社会に与える「ウェルテル効果」を指摘する。

映画『パラサイト 半地下の家族』で世界的に知られた俳優イ・ソンギュン氏は、麻薬摂取の疑惑で警察の取り調べを受けるなか、23年12月に自殺した。数多くの映画やドラマで親しまれた彼の死は、その遺書が一部メディアによって報道されたことから、似たような境遇にある同世代の人々に自殺衝動を呼び起こす影響を与えたという分析がある。

また今年2月には20代の有名女優キム・セロン氏が自殺しており、若年層への影響を懸念する声もあがった。

そして原因は明らかになっていないが、2016年10月から25年の9月の10年間に韓国軍で発生した死亡事故722件の7割に相当する501件が自殺だったという統計もある。

依然として高い若者の自死

2024年に自殺を図って救急センターに運ばれた患者3万5170人の4割を10〜20代が占めていた。20代(23.6%)が最も多く、10代(16.3%)、30代(14.7%)、40代(14.3%)と続いている。

政府機関の国家データ処が発表した「児童・青少年の生活の質2025報告書」による2023年の児童・青少年の自殺率は人口10万人当たり3.9人。統計の作成がはじまった2000年に1.1人だった12〜14歳の自殺率は5.0人に増加しており、大学進学を控えた15~18歳は11.4人に達している。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ウクライナ2都市にロシアが攻撃、和平協議直後

ビジネス

乳児ボツリヌス症の集団感染、バイハート社の粉ミルク

ワールド

北朝鮮抑止「韓国が主な責任」、米国防総省が関与縮小

ワールド

トランプ政権のEVインフラ助成金停止は違法、米地裁
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:「外国人問題」徹底研究
特集:「外国人問題」徹底研究
2026年1月27日号(1/20発売)

日本の「外国人問題」は事実か錯誤か? 7つの争点を国際比較で大激論

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 2
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味を帯びる「超高齢化」による「中国社会崩壊」
  • 3
    麻薬中毒が「アメリカ文化」...グリーンランド人が投稿したアメリカを嘲笑する動画にネット爆笑
  • 4
    40代からは「積立の考え方」を変えるべき理由──資産…
  • 5
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 6
    サーモンとマグロは要注意...輸入魚に潜む「永遠の化…
  • 7
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 8
    「これは違法レベル...」飛行機で「史上最悪のマナー…
  • 9
    トランプを支配する「サムライ・ニッポン」的価値観…
  • 10
    3年以内に日本からインドカレー店が消えるかも...日…
  • 1
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 2
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 3
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味を帯びる「超高齢化」による「中国社会崩壊」
  • 4
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 5
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 6
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 7
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 8
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の…
  • 9
    韓国が「モンスター」ミサイルを実戦配備 北朝鮮の…
  • 10
    40代からは「積立の考え方」を変えるべき理由──資産…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 4
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 5
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中