若者から中高年まで ── 韓国を襲う「自殺の連鎖」が止まらない

有名人の自死などが与える影響
40代の自殺が多かった要因としてメンタルヘルスの専門家は、著名人の自殺が社会に与える「ウェルテル効果」を指摘する。
映画『パラサイト 半地下の家族』で世界的に知られた俳優イ・ソンギュン氏は、麻薬摂取の疑惑で警察の取り調べを受けるなか、23年12月に自殺した。数多くの映画やドラマで親しまれた彼の死は、その遺書が一部メディアによって報道されたことから、似たような境遇にある同世代の人々に自殺衝動を呼び起こす影響を与えたという分析がある。
また今年2月には20代の有名女優キム・セロン氏が自殺しており、若年層への影響を懸念する声もあがった。
そして原因は明らかになっていないが、2016年10月から25年の9月の10年間に韓国軍で発生した死亡事故722件の7割に相当する501件が自殺だったという統計もある。
依然として高い若者の自死
2024年に自殺を図って救急センターに運ばれた患者3万5170人の4割を10〜20代が占めていた。20代(23.6%)が最も多く、10代(16.3%)、30代(14.7%)、40代(14.3%)と続いている。
政府機関の国家データ処が発表した「児童・青少年の生活の質2025報告書」による2023年の児童・青少年の自殺率は人口10万人当たり3.9人。統計の作成がはじまった2000年に1.1人だった12〜14歳の自殺率は5.0人に増加しており、大学進学を控えた15~18歳は11.4人に達している。





