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ロシアが遂に「がんワクチン」開発に成功か...60~80%で症状改善、最新発表の「意味」を専門家に聞く

Russia Cancer Vaccine: What To Know About Enteromix Claims

2025年9月9日(火)17時24分
ハンナ・ミリントン
がん細胞のイメージ

Aunt Spray-shutterstock

<ロシアが最新情報を明かしたワクチン「エンテロミクス(Enteromix)」は、実用化まであとどれくらいかかるのか?>

ロシアが開発を進めてきた、がんワクチン「エンテロミクス(Enteromix)」が、前臨床試験を完了し、安全性と高い有効性が確認されたと発表された。

ロシア連邦医学生物庁(FMBA)のトップ、ヴェロニカ・スクヴォルツォワ氏が9月6日、ウラジオストクで開かれた東方経済フォーラム(EEF)で成果を明らかにしたと、ロシアの国営通信TASSは報じている。

スクヴォルツォワ氏によれば、「研究には数年を要し、直近の3年間は義務づけられた前臨床試験に充てられた」という。既にワクチン実用化の準備は整っており、「あとは正式な承認を待つのみ」と述べた。また同氏は、繰り返し投与しても安全性に問題がなく、有効性が高いことを強調した。

研究チームは、腫瘍の大きさが縮小し、進行のスピードが抑えられる効果を確認。効果の程度は疾患の特性によって異なるが、60〜80%の範囲で改善が見られたという。また、ワクチンによって生存率が向上する可能性も示された。

一部メディアは、前臨床試験で「100%の有効性」が確認されたと報じているが、本誌はこの主張を独自に検証できていない。TASSによると、このワクチンはまず大腸がんを主な対象として実用化が進められる見通しだ。

FMBAによれば、進行が早く治療が難しい脳腫瘍・膠芽腫(グリオブラストーマ)や、眼内を含む特定のタイプのメラノーマに対しても、ワクチン開発が「有望な進展」を見せており、現在「開発の最終段階」にあるという。

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