「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
EXPLOITED ABROAD
人口の約73%が都市部に集中するオーストラリアでは、地方の農業現場で慢性的な人手不足が続いており、若くて移動が可能なワーホリ労働者は貴重な人的資源となっている。実際、農業分野の労働者のうち約14%はワーホリビザ保持者など一時滞在者だ。
コロナ禍の時期には、ワーホリ労働者が大幅に減少し、約3万6000人の労働力が不足したとされる。その結果、収穫期に人手が確保できず、畑に実った果物が収穫されないまま腐敗する事態が各地で相次いだ。

昨年7月、オーストラリアでのワーホリビザの発給数でトップを占めるイギリス国民を対象に、農場などでの労働をしなくてもビザを更新できるよう制度が変更された際には、他国の国民にも同様の措置が拡大されるのではと農業界で不安が広がった。
ワーホリ労働者がいなくなれば、関連産業の雇用が大量に失われ、オーストラリアのGDPは130億豪ドル減少するとみられている。
若者を「ぼろ雑巾」のように
だが、ワーホリ労働者の農場などでの労働は、搾取のリスクと隣り合わせだ。オーストラリア政府の独立機関で、全国の労働基準法の遵守を監視・強制する役割を担う「フェアワーク・オンブズマン(FWO)」が16年に発表した調査報告書では、ワーホリ労働者に対する賃金未払いや労働搾取が「構造的問題」として指摘された。





