最新記事
FRB

トランプ大統領「面接開始」...FRB新理事、近く決定へ

2025年8月7日(木)13時21分
トランプ米大統領とパウエル議長

トランプ米大統領(写真)が、空席となる連邦準備理事会(FRB)理事ポストの後任候補を間もなく指名することで、バイデン前大統領が指名した3人の理事とパウエル議長の去就に注目が集まりそうだ。2017年11月、ワシントンで撮影 (2025年 ロイター/Carlos Barria)

トランプ米大統領が、空席となる連邦準備理事会(FRB)理事ポストの後任候補を間もなく指名することで、バイデン前大統領が指名した3人の理事とパウエル議長の去就に注目が集まりそうだ。新理事が金融政策やFRBの運営を大幅変更しようとした場合でも、この4人が強力な対抗勢力となり得る。

クーグラーFRB理事が1日に突然辞任の意向を発表したことで、トランプ氏は来年5月のパウエル議長の任期終了を待たずに空席を1つ埋め、次期議長候補として待機させることが可能になった。あるいは、トランプ氏がウォラー理事を議長に昇格させる場合でも、今回の指名によってトランプ氏を支持する理事が1人増えることになる。


 

トランプ氏は「間もなく」候補者を発表する予定だと述べた。しかし、FRBの政策メンバーは長い年月をかけて入れ替わる制度設計になっているため、これでトランプ氏のFRBに対する不満が解消されるとは限らない。

元FRB副議長で、現在はブルッキングス研究所のシニアフェローであるドナルド・コーン氏は「だれが就任しようとも、全ての意思決定者間で合意を形成する必要がある。議長は非常に強力な権限を持っている。しかし、決定は理事会と連邦公開市場委員会(FOMC)によって行われる。議長は議論に勝ち、正しい主張をすることで、他のメンバーを賛同させる。誰であれ、すぐに物事を変える力は持たない。他の人々を説得しなければならない」と語った。

トランプ氏は、政策金利であるフェデラルファンド(FF)レートの引き下げを支持する人物を指名すると宣言している。同氏は現行4.25―4.50%のFFレート誘導目標を1%まで引き下げるよう求めている。

だが、FRB議長は威信こそ大きいが、上級職員の採用、予算編成、広大な組織の人員配置といった重要な内部問題に関しては理事会の7票のうち1票を有するに過ぎない。また、金利や市場とのコミュニケーション政策などの金融政策を決めるFOMCにおいては、12票のうち1票を持つだけだ。

東京アメリカンクラブ
一夜限りのきらめく晩餐会──東京アメリカンクラブで過ごす、贅沢と支援の夜
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

エヌビディア「H20」は安全保障上の懸念=中国国営

ワールド

中国、米にAI向け半導体規制の緩和要求 貿易合意の

ワールド

北朝鮮、軍事境界線付近の拡声器撤去を開始=韓国軍

ワールド

米、金地金への関税明確化へ 近く大統領令=当局者
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
2025年8月12日/2025年8月19日号(8/ 5発売)

現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「触ったらどうなるか...」列車をストップさせ、乗客を30分間も足止めした「予想外の犯人」にネット騒然
  • 2
    なぜ「あなたの筋トレ」は伸び悩んでいるのか?...筋肉は「光る電球」だった
  • 3
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大ベビー」の姿にSNS震撼「ほぼ幼児では?」
  • 4
    産油国イラクで、農家が太陽光発電パネルを続々導入…
  • 5
    輸入医薬品に250%関税――狙いは薬価「引き下げ」と中…
  • 6
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 7
    伝説的バンドKISSのジーン・シモンズ...75歳の彼の意…
  • 8
    60代、70代でも性欲は衰えない!高齢者の性行為が長…
  • 9
    これぞ「天才の発想」...スーツケース片手に長い階段…
  • 10
    イラッとすることを言われたとき、「本当に頭のいい…
  • 1
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 2
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を呼びかけ ライオンのエサに
  • 3
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大ベビー」の姿にSNS震撼「ほぼ幼児では?」
  • 4
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 5
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 6
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 7
    【クイズ】次のうち、「軍用機の保有数」で世界トッ…
  • 8
    職場のメンタル不調の9割を占める「適応障害」とは何…
  • 9
    こんなにも違った...「本物のスター・ウォーズ」をデ…
  • 10
    イラッとすることを言われたとき、「本当に頭のいい…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 4
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 5
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 10
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中