イスラム国「大復活」はアフリカから...先進国に再びテロの脅威が吹き荒れる?

ISIS Is Waging a Deadly War Across Africa That Threatens US

2025年8月7日(木)15時35分
トム・オコナー

原理主義者が目指すのは忠実な「黙示録の騎士」?

ISは超原理主義的な教義に反する者は、イスラム教徒を含めて全てを敵視してきた。

キリスト教徒をテロの標的とするのは、宗教対立を煽るだけでなく、自身が信じる予言的な物語に忠実であろうとする行動でもある。


「IS系武装勢力は、作戦計画の一環としてコンゴのみならずアフリカ各地でもキリスト教徒を標的にしてきた」と、南フロリダ大学のピエリ准教授は述べる。

「キリスト教徒への攻撃は、イスラムの軍勢が『ローマの軍勢』(しばしばキリスト教徒を指す)と最終決戦を行うという終末論的な物語の一部でもある」

ブリッジウェイ財団のケイレブ・ワイス上級分析官も、コンゴのIS系武装勢力がいかにイデオロギーに基づいてキリスト教徒を標的にしているかを観察している。

「コンゴのIS系武装勢力は以前、『キリスト教徒に対する経済戦争』について言及していた。また最近では、現地のキリスト教徒をイスラム教に改宗させる取り組みを強めると同時に、非イスラム教徒にはジズヤ(非イスラム教徒に課せられる税)の支払いを強要している」

また、ワイスは「この組織が主にキリスト教徒を攻撃、殺害しているという事実は、対外宣伝や(IS系武装勢力の)内部向けメッセージの主要な要素だ」と指摘。ただし、こうした言説は、実際にコンゴのIS系武装勢力が「圧倒的にキリスト教徒が多数を占める地域で活動している」という現実に直面しているから生まれたものだとも述べる。

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