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国際世論

「アメリカ・ファースト」が過ぎるトランプよりマシ!?好感度で差を縮める中国

China's Global Popularity Rises as US Stumbles

2025年7月16日(水)18時02分
ロバート・バーセル
中国好感度チャート

Source: Pew Research Center • Spring 2025 Global Attitudes Survey

<25か国約3万人を対象にした世論調査。競い合う両大国への見方の変化は世界の経済や平和に影響を与える。トランプの関税政策は、特に西側同盟国がアメリカをどう見るかを決定づける大きな要因となりそうだ>

アメリカのシンクタンク、ピュー・リサーチ・センターの調査結果によると、中国と習近平国家主席に対する世界の人々の印象はこの1年間でわずかに改善したが、アメリカとドナルド・トランプ大統領に対する印象は逆に悪化したことがわかった。

【チャート】国別・中国に対する好感度の変化(2024年vs2025年)

中国の印象は改善しているとはいっても、調査対象となった25か国(高所得国16カ国と中所得国9カ国)の中では好意的な見方よりも否定的な見方の方が多い。また、国際的な問題に正しく対処するかどうかという点に関して、習近平に対する信頼はそれほど高くなかった。

だが、中国を世界最大の経済大国とみなす傾向は多くの国で強まっている。

フランス、カナダ、ブラジル、メキシコ、ケニア、ナイジェリア、トルコ、イスラエル、インド、日本を含む25カ国の3万人以上を対象としたこの調査は、トランプが関税措置に代表される「アメリカ・ファースト」の政策を掲げて大統領に就任して以降の、米中2大国に対する世界の見方の変化を表している。

自国の安全保障と経済的利益の追求に熱心なのは中国も同じだが、表向きはその原則はあくまで「相互尊重、平和共存、互恵協力」だと強調している。

競い合う両大国に対する見方の変化は、外交、経済、その他の分野で広範な影響を及ぼす可能性がある。

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