最新記事
習近平

大酒のみで癇癪持ち、体罰も当たり前...中国トップの習近平の父・習仲勲の苛烈極まる教育法とは

For Love of Party

2025年7月16日(水)18時30分
ジョセフ・トリジアン(アメリカン大学准教授)

肩車中の「おしっこ」に...

子供たちへの厳しい接し方は、体罰という形を取ることもあった。

中国の政治的エリート層の一家に取材を重ねてきたジャーナリストのジョン・ガーノーはこう記している。「習仲勲は品格のありそうな外面とは裏腹に、大酒飲みで、時折かんしゃくを爆発させた。習一家の親しい友人によれば、その怒りの矛先は子供たちに向けられることも多かった」


中国政界の中枢に食い込んでいる別のジャーナリストによると、あるとき習仲勲は激しく立腹し、自分の子供たちと、ほかの高官の子供を一列に並ばせて、順番に殴っていったことがあったという。

習仲勲がほとんどの親より子供たちに厳しかったことは事実だが、「赤い貴族」とも呼ぶべき共産党幹部の家庭で子供が親に絶対服従だったのは、習一家に限ったことではなかった。当時、多くのエリート家庭は、子供たちに厳しいルールを課していたのだ。

ある友人が習仲勲に、なぜ子供たちに厳しく接するのかと尋ねると、こんな言葉が返ってきた。「子供たちを怯えさせたいわけではない。天と地への畏敬の念を持たせることが目的だ。そうすれば、まだ幼いうちに好き勝手な振る舞いをしてはならないと学ぶことができる」

しかし、習仲勲はソフトな一面も持っていた。あるとき、近平を肩車して歩いていたとき、近平がおしっこし始めたことがあった。すると、仲勲はおしっこが終わるまで辛抱強く待った。おしっこの最中に怖い思いをさせると、その子が「生涯にわたって病気を患う」と考えていたのだ。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、26年度の難民受け入れ上限7500人に

ワールド

米NY州が非常事態宣言、6500万ドルのフードバン

ワールド

ロシア、ウクライナのエネルギー施設に集中攻撃 全国

ビジネス

ECB、3会合連続で金利据え置き 今後の道筋示さず
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面に ロシア軍が8倍の主力部隊を投入
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 6
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 7
    海に響き渡る轟音...「5000頭のアレ」が一斉に大移動…
  • 8
    【クイズ】12名が死亡...世界で「最も死者数が多い」…
  • 9
    必要な証拠の95%を確保していたのに...中国のスパイ…
  • 10
    【クイズ】開館が近づく「大エジプト博物館」...総工…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」にSNS震撼、誰もが恐れる「その正体」とは?
  • 4
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 9
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 10
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 8
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 9
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中