ローマ教皇、中東紛争が「悪魔的な激しさで激化」と言及、一層の国際法尊重を訴え

ローマ教皇レオ14世は26日、中東紛争がかつてないほど「悪魔的な激しさ」で激化していると述べ、一層の国際法尊重を訴えた。写真はバチカンで25日撮影(2025年 ロイター/Remo Casilli)
ローマ教皇レオ14世は26日、中東紛争がかつてないほど「悪魔的な激しさ」で激化していると述べ、一層の国際法尊重を訴えた。
バチカン(ローマ教皇庁)で行われた会合で、中東で活動するカトリック司教や援助機関に向けて発言し、域内諸国が「戦争によって荒廃し、特定の利益集団によって略奪され、呼吸困難で有毒な空気を醸す憎悪の雲に覆われている」と懸念。
また「暴力的な紛争は今日、かつてないほど悪魔的な激しさで激化しているようだ」と述べ、パレスチナ自治区ガザの人道状況は「悲惨で非人道的」と訴えた。
教皇は先月、ガザへの人道支援受け入れ拡大をイスラエルに求めたが、26日の発言では名指ししなかった。また、イスラエルとイランによる最近の衝突にも直接言及しなかったものの、各国に国際法をより一層尊重するよう求めた。
教皇は、「今日、全て自己利益の追求を正当化するため、多くの状況下で『力こそ正義』という原則がまん延しており、実に胸が痛む。国際法と人道法の力がもはや拘束力を持たず、他者を強制支配する権利と称するものに取って代わられているのを見るのは苦しい」と語りかけた。


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