「憲法が泣いている」...トランプが越えてしまった一線とは?
Congress Must Constrain Trump
ホワイトハウスの悪意
ワシントン政権下の1791年、蒸留酒への課税に抵抗して始まった暴動は、「ウイスキー税反乱」に発展した。ワシントンは地元判事らを代理として反乱者側と和平交渉し、連邦法の遵守を勧告した。
1792年に制定された民兵法では、大統領が連邦任務に民兵を投入するには、既に反乱状態であることを連邦最高裁判事が事前に認定する必要がある。
ワシントンはこの規定を厳格に守り、認定を受けた後、新たな布告で暴力を非難。反乱現場の州で民兵を招集する法的根拠を語った。
ワシントンは自ら民兵を率いて出動したが、対決は回避された。市民が忠誠の誓いに署名し、反乱者がスムーズに逮捕され、起訴されて有罪判決を受けた者は大統領に恩赦された。ワシントンの一連の行動は広く世論に評価された。
トランプの場合、ワシントンが行ったように大統領権限の根拠を明確にしていない。今回の軍動員の法的根拠について、国防総省は意図的に曖昧な態度を取っており、行政権限の下で許可されたとだけ説明している。
一方、ホワイトハウスの声明が示唆するのは、合衆国憲法第2条3節の大統領による法誠実執行配慮条項が、連邦資産や法執行を保護する権限を大統領に付与しているという、新手の拡大解釈だ。