韓国新大統領にイ・ジェミョンが就任 初日の執務室で見たのはまさかの......

第21代大統領に就任したイ・ジェミョン大統領とファーストレディとなったキム・ヘギョン夫人 Lee Jin-man / REUTERS
<就任の喜びもつかの間、イ大統領は厳しい現実に直面した......>
6月4日、午前6時21分。中央選挙管理委員会の儀杖が打ち下ろされたその瞬間、イ・ジェミョン(李在明)は第21代大韓民国大統領としての任期を正式に開始した。
これは通常とは大きく異なる就任だった。イ大統領は、ユン・ソンニョル(尹錫悦)前大統領が罷免されたことに伴う憲政史上2度目の補欠選挙で勝利した。そのため選挙結果が確定した瞬間から任期が始まるという異例の事態に直面した。通常あるはずの引継ぎ委員会は設置されず、政権交代の準備期間も与えられないまま、事実上「即日就任」という形で国政を担うこととなった。
このような背景のもと、イ大統領はこの一日をフルに活用して、軍事、経済、安全保障、そして統治体制に至るまで、さまざまな指示を打ち出していった。
夜明けとともに始まった任期
イ大統領の任期は、選挙管理委員会が当選を確定した瞬間に始まった。通常の任期開始が「午前0時」であるのに対し、今回は「当選確定=任期開始」となる異例のケースである。
午前7時すぎには、民主党のパク・サンテ(朴賛大)院内代表を通じて当選証が正式に交付された。続いて午前8時ごろ、イ大統領は自宅で国防部のキム・ミョンス(金明洙)合同参謀本部議長から軍統帥権の移譲報告を受けた。報告を受けた大統領は、「軍の任務に対する忠誠を信じる」と述べ、昨年12月の非常戒厳事態を念頭に「不当な命令に対する抑制的対応を評価する」と語った。