最後の討論会で激化した攻防
27日夜に行われた最後のテレビ討論は、政治をテーマにした討論が行われたが、実際には政策論議よりも「対立候補との攻防」に終始した120分間となった。共に民主党のイ・ジェミョン、国民の力のキム・ムンス、改革新党のイ・ジュンソク、民主労働党のクォン・ヨングク(権英国)候補が参加したこの討論では、昨年末の戒厳令から始まった内乱の責任、イ・ジェミョン候補者の司法リスク、さらに政治改革をめぐって激しい舌戦が展開された。
内乱克服をめぐる攻防では、イ・ジェミョン候補が「ユン・ソンニョル(尹錫悦)元大統領を弾劾したが、内乱はまだ進行中」と強調したのに対し、キム・ムンス候補は民主党のいわゆる「防弾立法」(特定人物の法的責任を回避するための立法で、イ・ジェミョン候補の抱える刑事裁判を回避しようとしているとの批判がある)を「防弾独裁」だと批判した。イ・ジュンソク候補は「戒厳を擁護する勢力とポピュリズムで誘惑する勢力を同時に押しのけなければならない」と両候補を標的にした。
ユン前大統領の赦免についてでは、イ・ジェミョン候補がキム・ムンス候補を「ユン・ソンニョル・アバター」と批判し、赦免意向を追及したのに対し、金候補はイ・ジェミョン候補の5件の裁判に言及して「セルフ赦免」するのかと対抗した。
外交・安全保障分野では朝鮮半島非核化vs核武装論争が繰り広げられた。イ・ジェミョン候補はキム・ムンス候補の「戦術核再配置」公約が「北朝鮮に対して非核化要求ができなくなる」と批判。一方、キム候補は「韓米首脳会談を通じて協議できる」と主張した。