【旅行シーズン到来】もしもの航空トラブルに備える空の安全旅ガイド

離着陸時は底のしっかりした靴を履く　DMYTRO DUDA/GETTY IMAGES

飛行機がどうにか停止したとき、シェメルは23列目で逆さまにぶら下がっていた。しかし自力で機体から抜け出し、野原に駆け込んだ後、他の人を助けるために煙の充満した客室に戻った。

シェメルによれば、緊急事態発生から着陸までの40分間、客室乗務員は乗客に、この先に予想される事態と、その場合にどうすればいいかを丁寧に説明し、生き延びることは可能だと思わせてくれた。「何が起きるかを聞かされていて、準備ができていた。知識、準備、考え抜くこと。それが結果につながった」

筆者は数年前に、取材でアラブ首長国連邦のドバイにあるエミレーツ航空アカデミーで1週間の避難訓練を受けた。そのときの経験を踏まえ、私なりのアドバイスを以下に記しておきたい。

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■化学繊維の服は火に弱い

化学繊維は溶けて肌に焼き付くほど熱くなる。米連邦航空局（FAA）は機内での服装に関し、合成繊維よりも綿、ウール、皮革、デニムが望ましいと勧告している。このアドバイスは現在でも真実だ。

■しっかりした靴を履く

離着陸の時間が近づいたら必ず靴を履く。航空機事故では、乗客が急いで機外に出なければならないケースがある。ただし外は危険だ。地面がぬれていたり、凍っていたり、熱かったりする。ガラスや燃料、飛行機の破片が飛び散っている事態も想定できる。だからはだしは厳禁。

ただし、ハイヒールは避難用の滑り台に穴を開ける恐れがあるので好ましくない。底のしっかりしたフラットシューズを選ぶといい。