最新記事
英王室

「ただ愛する男性と一緒にいたいだけ!」77歳になった英王妃カミラの責任感と愛に生きる「本当の姿」

FOR DUTY, FOR LOVE

2025年4月9日(水)14時31分
ジャック・ロイストン(英王室担当)

過酷な経験により心に傷を負い、慰めを必要としている女性は、もちろんペリコだけではない。カミラは2月にイングランド南西部の町エクセターを訪ねた際にも、それを目の当たりにした。

エクセターでさまざまな弱者への支援を行う施設「コラブ(CoLab)」の一室で活動している慈善団体「ブレーブ・スペーシズ(Brave Spaces)」は、安全な避難場所を求める被害者に支援の手を差し伸べている。


この施設を訪ねたカミラに、セーラという女性は言った──自分は10年間も虐待を受けてきたが、ブレーブ・スペーシズが住む場所を見つける手助けをしてくれた、と。

そのうちにセーラは感極まり、メディアの写真撮影のときに泣き出してしまった。するとカミラはセーラを一番目立つ場所にいざない、優しく背中に触れた。カメラのフラッシュがたかれるなかで、こう声をかけた。「さあ、思いっきり笑って」

「女性の権利擁護を熱心に主張してきた王妃と対面できたことを光栄に思う。王妃はとても思いやりがある」と、ブレーブ・スペーシズの支援を受けた1人であるアフナン・テレシーは本誌に語った。

「私はこの部屋にいる女性たち全員を誇りに思う。ここまで来ることができた自分のことも誇らしく思う」

2025年を迎えたとき、カミラは慢性的な疲労感にさいなまれていた。確かに、昨年の英王室はまさに試練の連続だった。

昨年終盤に肺炎に罹患したカミラは、疲労がなかなか抜けず、一時は好きな読書もできないほどだった。それでも、77歳という年齢にもかかわらず、長くは寝込まなかった。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ウクライナ議会、8日に鉱物資源協定批准の採決と議員

ワールド

カナダ首相、トランプ氏と6日会談 ワシントンで

ビジネス

FRB利下げ再開は7月、堅調な雇用統計受け市場予測

ワールド

ガザ封鎖2カ月、食料ほぼ払底 国連「水を巡る殺し合
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 2
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 3
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 4
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 5
    目を「飛ばす特技」でギネス世界記録に...ウルグアイ…
  • 6
    宇宙からしか見えない日食、NASAの観測衛星が撮影に…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    金を爆買いする中国のアメリカ離れ
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 8
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 9
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 10
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中