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政府効率化省(DOGE)長官は「マスク氏ではない」が「誰かもわからない」...米政権が隠し続ける「トップの正体」

WE KNOW WHO IT REALLY IS

2025年2月26日(水)15時22分
マーク・ジョセフ・スターン(スレート誌司法担当)

まず、合衆国憲法の任命条項は、全ての省庁は議会の行為により「法律によって設立」されなければならないと定めている。そして、地位の高い「上級職員」の任命には上院の承認が必要で、「下級職員」は議会が定めた手続きによって任命できる。

だが議会はDOGEを設立していないし、そのトップにいかなる役職も設置していない。マスクは上院の承認を得ずに、上級職員の権限を行使しているように見える。


彼が下級職員として行動しているとしても、任命に議会が一切、関与していない以上、違法に職務を行っていることになる。

クラレンス・トーマス連邦最高裁判事は昨年、「特定の役職の設置について議会が合意に達していない場合、行政機関は一方的にその役職を創設して人員を充てる権限を有していない」という見解を示している。

これは、トランプの機密文書持ち出し疑惑を捜査する特別検察官を司法長官が任命したことに関するものだが、DOGEとマスクにもそのまま当てはまる。トーマスは次のようにも述べている。

「省庁を創設する権限を大統領に持たせないことによって、建国の父たちは、いかなる大統領も一方的に大量の官職を創設して自分の支持者で埋めることができないようにした。代わりにわれわれの憲法は、新たな省庁が存在するべきかどうかを決める権限を、国民が選出した議員に委ねている」

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