石油ショックの勝者・中国、その背景にある電化と再エネ拡大
TRUMP’S OIL GAMBIT BACKFIRES
イラク領海で攻撃を受け火災を起こした外国籍タンカー(3月12日) MOHAMMED ATYーREUTERS
<戦火で混乱する世界のエネルギー市場、再エネを進める中国と違い、化石燃料に頼るアメリカにはEV産業軽視のツケが>
▼目次
見せかけの「エネルギー支配」
環境政策が経済の緩衝材に
アメリカの軍事作戦を機に、世界は1970年代以来最悪のエネルギーショックに直面している。
イランが標的にするのは、ドナルド・トランプ米大統領の最大の弱点である化石燃料だ。イラン国内の石油・ガス施設が壊滅的な攻撃を受けたことへの報復として、周辺地域のエネルギーインフラを攻撃。世界の石油供給の20%が通過するホルムズ海峡の封鎖は、いつまで続くのか見通せない。
ガソリン価格は上昇し、戦略的備蓄は減少している。世界第2位の液化天然ガス(LNG)輸出国であるカタールが生産を停止するなど、LNGを主要な燃料とするヨーロッパやアジアの国々はエネルギー戦略の見直しを迫られている。
こうした展開はトランプ政権のこれまでの行動を映し出している。そして皮肉なことに、この展開で最も恩恵を受ける可能性が高いのは、アメリカの宿敵である中国だ。
イラン情勢の影響と完全に無縁でいられる国はない。だが中国は、他のどの大国よりもこの危機を長期的に乗り切る可能性が高い。その背景には電化と再生可能エネルギーの急速な拡大がある。





