最新記事
カーター

「平和で公正な社会はつくれる」----キング牧師の娘が語る「父とジミー・カーター」

A COURAGEOUS LEADER

2025年1月29日(水)15時29分
キャサリン・ファン(国際政治担当)

ジョージア州以外では知名度の低い穴馬的な大統領候補だったカーターは、黒人有権者の圧倒的支持を得て、ルイジアナ、テキサス、オハイオ、ウィスコンシン、ミシシッピ、ミズーリ、ペンシルベニアといった州で現職のジェラルド・フォードに僅差で勝利。

第39代大統領として1期を務めた後、80年の選挙でロナルド・レーガンに大敗した。再選を果たせなかったことでカーターは政治的失敗の烙印を押されたが、多くの人々にとって彼の最大の遺産といえば公民権運動推進に対する功績だ。

在任中は黒人経営者の企業にも国との契約の門戸を開き、黒人の教育水準向上のために設立された「歴史的黒人大学」に対する支援を強化し、記録的な数の黒人を行政や司法の要職に任命した。


キング家のことも常に心にかけていた。

77年、カーターと妻のロサリンはキングの遺族をホワイトハウスに招き、キングに追贈する自由勲章をコレッタ夫人に贈呈。キングと彼の指導力を連邦政府が認めた初めてのケースだった。

さらに夫人が亡夫の功績をたたえて設立したキング・センターの建築費約350万ドルの調達に協力し、マーチン・ルーサー・キング国立歴史公園を建設する法案にも署名。コレッタを女性初の米国連代表団に、キングの親友・側近だったアンドリュー・ヤングを黒人初の米国連大使に指名した。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米製造業新規受注、3月は前月比4.3%増 民間航空

ワールド

中国、フェンタニル対策検討 米との貿易交渉開始へ手

ワールド

米国務長官、独政党AfD「過激派」指定を非難 方針

ビジネス

米雇用4月17.7万人増、失業率横ばい4.2% 労
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 2
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 3
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 4
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 5
    目を「飛ばす特技」でギネス世界記録に...ウルグアイ…
  • 6
    宇宙からしか見えない日食、NASAの観測衛星が撮影に…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    金を爆買いする中国のアメリカ離れ
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 8
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 9
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 10
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中