トランプのおかげで「プーチンの夢」が叶う?...再来するトランプ・ワールドの外交・内政・経済を徹底予測

NASTIER AND MORE BRUTAL

2025年1月17日(金)14時00分
グレン・カール(本誌コラムニスト、元CIA工作員)

■「力こそ正義」の国際秩序

孤立を好み、敵を増やし、一国主義のトランプ外交の行き着く先は世界的な保護主義の台頭と国際機関の衰退だ。関税攻撃の程度にもよるが、アメリカを含め世界中で物価が上がり、経済成長率は鈍化またはマイナスに転じる。株価は下がり、国際協力は衰退する。

規範とルールに基づく国際社会のシステムは、ついに引き裂かれるだろう。これまでのアメリカは擁護者だったが、これからのトランプは一貫して国際社会を敵視し続ける。


アメリカは今後も地球上で最も影響力のある国であり続けるだろうが、既に世界は複数の大国が競合する多極化の時代に入っている。

強固な同盟関係や国際機関がトランプの孤立主義で弱体化すれば、東欧や中欧の近隣諸国を抱き込んで「大ロシア圏」を構築するというプーチンの夢がかなう可能性もある。

中国は既にアメリカと並ぶ超大国だが、アジアと西太平洋における優位性を一段と強固なものにし、自国を中心に据えた独自のルールと制度を押し付け、アジアと西太平洋に君臨する帝国を樹立しかねない。

台頭する未来の超大国インドは、いわゆる「グローバルサウス」の旗手を自負するだろうが、現実には世界の弱小国を束ねて欧米先進国や中国、ロシアとの交渉で有利な立場を確保しようとする一方、既存の国際機関のもたらす恩恵には「ただ乗り」を続けることになろう。

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