最新記事
東欧

親ロシア与党vs親EUの市民...ジョージアはロシアの「衛星国」になるのか? 「西側の決断」が鍵を握る

Georgia’s Maidan Moment

2024年12月11日(水)13時41分
イア・メウルミシュビリ(ジャーナリスト)

西側の決断が鍵を握る

あるいは意図的に市民を挑発し、デモの鎮圧を口実に反政府派を一掃しようとした可能性もある。だとすれば、その読みは甘かったようだ。抗議デモはジョージア史上最大規模の広がりを見せている。

市民は自主的にデモに参加。中心となる指導者や政党は不在だが、デモの波は首都トビリシだけでなく、他都市や村々にまで広がっている。草の根レベルの運動がここまで広がったことが、EU加盟を望むジョージアの人々の揺るぎない決意を物語る。


政府機関の内部にもデモを支持する動きがある。国防省、外務省、司法省などの官僚が相次いでEU加盟交渉の中断に抗議する書簡に署名。ジョージアの国連大使も辞任した。

ジョージアの国家元首であるサロメ・ズラビシビリ大統領はEU加盟を推進する立場で、市民のデモを支持。公正な選挙を実施して有権者の意思を反映した新政権を発足させようと国民統一評議会を立ち上げた。

だが大統領の権限は限定的で、この試みを成功させるにはEUと米政府が強力かつ迅速に後押しする必要がある。

今後何日かが正念場だ。コバヒゼ政権が力ずくでデモを抑え込めば、EU加盟の望みが断たれるばかりか、この国の民主主義が崩壊しかねない。

ロシアはルーマニア、ブルガリアに次いでジョージアと、近隣諸国に次々に自国寄りの政権を打ち立てようとしている。西側がこれを阻止するには、独自の戦略が必要だ。

目下のターゲットはジョージア。ここ数日の西側の決断次第で、ジョージアの民主主義が強化され、親EU色が一層強まるか、権威主義に急傾斜し、ロシアの「衛星国」となるかが決まる。

Foreign Policy logo From Foreign Policy Magazine

ニューズウィーク日本版 教養としてのミュージカル入門
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年3月17号(3月10日発売)は「教養としてのミュージカル入門」特集。社会と時代を鮮烈に描き出すポリティカルな作品の魅力[PLUS]山崎育三郎ロングインタビュー

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら



あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ホンダが初の赤字転落へ、最大6900億円 需要減で

ワールド

中国全人代、民族団結法可決 中華民族帰属意識を促進

ビジネス

S&P、ソニーをAプラスに格上げ エンタメ中心の事

ワールド

米国による貿易調査、内容や影響精査し適切に対応=木
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 2
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃に支持が広がるのか
  • 3
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車整備は収入増、公認会計士・税理士は収入減
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 6
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」…
  • 7
    「邪悪な魔女」はアメリカの歴史そのもの...歌と魔法…
  • 8
    イランがドバイ国際空港にドローン攻撃...爆発の瞬間…
  • 9
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 10
    2万歩でも疲れない? ディズニー・ユニバで足が痛く…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 6
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗…
  • 7
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 8
    日本の保護者は自分と同じ「大卒」の教員に敬意を示…
  • 9
    中国はイランを見捨てた? イランの「同盟国」だっ…
  • 10
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中