最新記事
シリア情勢

イスラエル、シリア南部に防衛地帯設置へ...ゴラン高原の支配強化

2024年12月11日(水)09時40分
イスラエルのカッツ国防相

イスラエルのカッツ国防相は10日、イスラエルに対する戦略的脅威を排除するための作戦の一環として、同国海軍のミサイル艦が9日夜の作戦でシリア軍艦隊を破壊したと述べた。11月撮影(2024年 ロイター/Ronen Zvulun)

イスラエルのカッツ国防相は10日、イスラエルに対する「テロの脅威」を防ぐため、シリア南部に「イスラエル軍が常駐しない防衛地帯」を設けるよう命じたと述べた。詳細は明かさなかったが、防衛地帯は「シリアにおけるテロ組織の設立と組織化を阻止する」ことが目的だという。

さらに、イスラエル軍がイスラエル占領下のゴラン高原とシリアの間の緩衝地帯に拠点を築いていると表明。同地域の支配を強めていることを明らかにした。


 

イスラエル軍はアサド政権が崩壊した先週末以来、化学兵器を含むシリア軍の装備が反政府勢力の手に渡らないようにするためとして、シリア全土の一連の標的を攻撃している。

ネタニヤフ首相は「シリアの内政に干渉する意図はないが、われわれは安全を確保するために必要なことを行う。シリア軍が残した戦略的軍事施設が過激派の手に渡らないよう、空軍に爆撃を許可した」と明らかにした。

イスラエルのメディアは、空軍が250回もの攻撃を実施したと報道。軍は攻撃回数については明言を控えた。

イスラエル軍のショシャニ報道官も「われわれは戦略兵器が敵の手に渡るのを防ぐために行動している。これまで何年も、さまざまな方法や状況でこうした行動をとってきた。今もそれを実行している」と語った。

さらにカッツ国防相は、イスラエルに対する戦略的脅威を排除するための作戦の一環として、同国海軍のミサイル艦が9日夜の作戦でシリア軍艦隊を破壊したと述べた。

英海上警備会社アンブリーによると、少なくとも6隻のシリア海軍艦船が標的となった。映像には、1隻が傾き、他の5隻が沈没した様子が映っていたという。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 ISSUES 2026
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月30日/2026年1月6号(12月23日発売)は「ISSUES 2026」特集。トランプの黄昏/中国AIに限界/米なきアジア安全保障/核使用の現実味/米ドルの賞味期限/WHO’S NEXT…2026年の世界を読む恒例の人気特集です

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


ヘルスケア
腸内環境の解析技術「PMAS」で、「健康寿命の延伸」につなげる...日韓タッグで健康づくりに革命を
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

仏、政府閉鎖回避へ緊急つなぎ予算案 妥協案まとまら

ワールド

米大統領、史上最大「トランプ級」新型戦艦建造を発表

ワールド

韓国中銀、ウォン安など金融安定リスクへの警戒必要=

ビジネス

米国との貿易協定、来年早々にも署名の可能性=インド
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 2
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 3
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリーズが直面した「思いがけない批判」とは?
  • 4
    【外国人材戦略】入国者の3分の2に帰国してもらい、…
  • 5
    「信じられない...」何年間もネグレクトされ、「異様…
  • 6
    週に一度のブリッジで腰痛を回避できる...椎間板を蘇…
  • 7
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 8
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 5
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 6
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 9
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 10
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中