最新記事
世論調査

またトランプへの過小評価...アメリカ世論調査の解けない謎

2024年11月24日(日)12時12分
期日前投票所の外で集会に参加するトランプ氏の支持者

11月20日、米国の複数の世論調査機関が、今回の大統領選で再びトランプ氏の支持率を過小評価した理由を究明する作業を進めている。写真は、期日前投票所の外で集会に参加するトランプ氏の支持者。3日、米フロリダ州クリアウォーターで撮影(2024年 ロイター/Octavio Jones)

米国の複数の世論調査機関が、今回の大統領選で再びトランプ氏の支持率を過小評価した理由を究明する作業を進めている。

政治やスポーツのデータ分析を手掛けるウェブサイト「538」がまとめた大統領選前の全米世論調査の平均値を見ると、トランプ氏の支持率は民主党候補ハリス副大統領を1ポイント下回っていた。ところが選挙の開票がほぼ終了した時点で、トランプ氏の得票率は50%、ハリス氏は48%だった。


 

世論調査は、トランプ氏の支持率を3ポイント低く見積もったことになる。538によると、2020年と16年の大統領選でも世論調査で示されたトランプ氏支持率は実際の得票率よりそれぞれ4ポイントと2ポイント低くなった。

さまざまな要素の影響を受ける統計の精度を踏まえれば正常な誤差の範囲内であり、微妙に意見の違う有権者から電話で正確な回答を得るのはとりわけ難しい。

ただ、全米の世論調査が一貫して同じ傾向を示していることから、調査担当者や専門家らの間には、トランプ氏支持者からなかなか回答してもらえず、支持率の過小評価につながっているのではないかとの疑念が浮上しつつある。

米中西部ウィスコンシン州ミルウォーキーのマーケット大学法科大学院で世論調査を担当し、専門家団体「米公共意見調査協会」のために選挙前調査の問題点を洗い出す作業部会に参加するチャールズ・フランクリン氏は「トランプ氏支持者とつながるという面で課題があると考えざるを得ない」と述べた。

世論調査でほぼ正確にトランプ氏の勝利を示唆していたアリゾナ、ジョージア、ネバダ、ノースカロライナといった激戦州でさえ、実際の同氏の得票率は、世論調査よりおよそ1―3ポイント高かった。

ビジネス
「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野紗季子が明かす「愛されるブランド」の作り方
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

EU首脳会議、ロシア凍結資産の活用協議 ベルギーな

ワールド

TikTok米事業、米投資家主導の企業連合に売却へ

ワールド

マクロスコープ:高市首相が気を揉む為替動向、政府内

ビジネス

フェデックス9─11月業績は予想上回る、通期利益見
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末路が発覚...プーチンは保護したのにこの仕打ち
  • 2
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    ゆっくりと傾いて、崩壊は一瞬...高さ35mの「自由の…
  • 6
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 7
    おこめ券、なぜここまで評判悪い? 「利益誘導」「ム…
  • 8
    中国の次世代ステルス無人機「CH-7」が初飛行。偵察…
  • 9
    9歳の娘が「一晩で別人に」...母娘が送った「地獄の…
  • 10
    円安と円高、日本経済に有利なのはどっち?
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 6
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 9
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 10
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中