最新記事
世論調査

またトランプへの過小評価...アメリカ世論調査の解けない謎

2024年11月24日(日)12時12分

また、トランプ氏が世論調査で劣勢ながら最終的に勝利したラストベルト(さび付いた工業地帯)の激戦州ペンシルベニア、ウィスコンシン、ミシガンでも、トランプ氏の支持率は同様に2―3ポイント過小評価された。

20年の大統領選における世論調査の精度を分析する作業部会の座長役だったバンダービルト大学の政治研究者ジョシュ・クリントン氏は、こうした明らかな「測定ミス」によって、世論調査や政治制度全般に対する世間一般の不信感を増幅させかねないと懸念する。


 

クリントン氏は「運営方法全体が認められないというのはかなり大きなダメージだと思う」と語る。ロイターは同氏を含め、米公共意見調査協会が過去に行った検討部会に参加した、あるいは今年の部会に加わる予定の4人に話を聞いた。

一部の専門家は、得票率と世論調査における支持率の差が数ポイント以内に収まっているというのは引き続き素晴らしい成果で、調査機関にとって今後さらに改善するのは困難だろうと強調する。さらに電話調査で回答を得にくい要因として、過去数十年で迷惑メールなどが急増したため、勝手に接触してくる相手には応答しなくなったという事情も指摘する。

16年と20年の検討部会に参加したテキサス大学の政治研究者クリストファー・レジアン氏は「20年ないし30年前とは非常に異なる世界になっている」と話す。

回答しない支持者

トランプ氏は、自身の政治活動期間を通じて世論調査がずっと同氏に不利な偏見を持ってきたと非難している。

政権移行チームの広報担当者は「世論調査機関やワシントンの評論家、メディアはトランプ氏と彼らの支持者たちの歴史的な連携を常に見くびってきた。唯一意義のある世論調査が行われたのは大統領選の投票日だった」とコメントした。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場・午前=S&P・ナスダックが日中最高値

ビジネス

米アルファベット、時価総額が初の3兆ドル突破

ワールド

トランプ氏、四半期企業決算見直し要請 SECに半年

ワールド

米中閣僚協議、TikTok巡り枠組み合意 首脳が1
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェイン・ジョンソンの、あまりの「激やせぶり」にネット騒然
  • 3
    腹斜筋が「発火する」自重トレーニングとは?...硬く締まった体幹は「横」で決まる【レッグレイズ編】
  • 4
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 5
    ケージを掃除中の飼い主にジャーマンシェパードがま…
  • 6
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 7
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 8
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 1
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 2
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 5
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 6
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 7
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 10
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中