最新記事
インフラ

ウクライナの電力がロシア軍の攻撃にも持ち堪えている理由

Decentralized energy powers Ukraine's resilience against Russia

2024年11月21日(木)15時49分
アミール・ダフタリ

今年の春にDTEKの太陽光発電所2カ所がロシア軍の攻撃を受けたときも、損傷したパネルと変圧器の交換を行って電力を復旧させるまでに7日しかかからなかった。

石炭火力発電所が同様の被害を受けたときには、3〜4カ月かかったという。

「それが、集中型の電源といわゆる分散型の電源の違いだ。分散型の方が集中型よりもはるかに柔軟性があり壊れにくい」とティムチェンコは説明した。


 

ウクライナのエネルギーインフラを狙う上で変圧器を破壊してもあまり効果がないと知ったロシア側は3月以降、作戦を変更して発電施設を狙うようになった。

米国務省のジェフリー・パイアット次官補(エネルギー資源担当)は、ウクライナの発電能力の50%が失われていると指摘するが、それでも原子力発電、水力発電および新たに建設された再生可能エネルギー施設を通して電力供給は続いている。

ウクライナのエネルギーシステム再建において重要な役割を果たしているのが国際的なパートナーシップだ。DTEKはアメリカのGEベルノバやハネウェルなどと共同で、風力発電やバッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)の開発に取り組んでいる

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米が最近攻撃したのはコロンビア船、ペトロ大統領が示

ワールド

国連、平和維持活動要員を4分の1削減へ 資金不足で

ワールド

米内国歳入庁、職員の約半数を一時帰休 政府閉鎖8日

ビジネス

FRBに年内追加利下げ余地、景気と物価を慎重に見極
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:中国EVと未来戦争
特集:中国EVと未来戦争
2025年10月14日号(10/ 7発売)

バッテリーやセンサーなど電気自動車の技術で今や世界をリードする中国が、戦争でもアメリカに勝つ日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    ウクライナの英雄、ロシアの難敵──アゾフ旅団はなぜ「過激派」から「精鋭」へと変わったのか?
  • 3
    ロシア「影の船団」が動く──拿捕されたタンカーが示す新たなグレーゾーン戦略
  • 4
    ヒゲワシの巣で「貴重なお宝」を次々発見...700年前…
  • 5
    トイレ練習中の2歳の娘が「被疑者」に...検察官の女…
  • 6
    インフレで4割が「貯蓄ゼロ」、ゴールドマン・サック…
  • 7
    【クイズ】イタリアではない?...世界で最も「ニンニ…
  • 8
    「それって、死体?...」新婚旅行中の男性のビデオに…
  • 9
    祖母の遺産は「2000体のアレ」だった...強迫的なコレ…
  • 10
    筋肉が育つだけでは動けない...「爆発力」を支える「…
  • 1
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 2
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレクトとは何か? 多い地域はどこか?
  • 3
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最悪」の下落リスク
  • 4
    赤ちゃんの「耳」に不思議な特徴...写真をSNS投稿す…
  • 5
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
  • 6
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 7
    祖母の遺産は「2000体のアレ」だった...強迫的なコレ…
  • 8
    ロシア「影の船団」が動く──拿捕されたタンカーが示…
  • 9
    更年期を快適に──筋トレで得られる心と体の4大効果
  • 10
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 5
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 6
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 9
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 10
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中