アメリカの歴史に名を残す「トランプはこの100年で最も力強い政治家に」地滑り的勝利には理由がある

LIVING IN THE AGE OF TRUMP

2024年11月18日(月)17時18分
サム・ポトリッキオ(本誌コラムニスト、ジョージタウン大学教授)

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民主党はトランプをファシストで男尊女卑の人種差別主義者と非難してきたが、それで票が動くことはなかった。逆に、20年前には絶滅の危機と評されていた共和党の支持基盤が広がった。

かつての民主党は、黒人や中南米系など人口増加の著しい有権者層を味方に付けていた。共和党が21世紀を生き延びるにはリベラル寄りに舵を切るしかないとも思われていた。


そんな政界の通念を、トランプは打ち砕いた。そして彼自身が新たな現実を創造するトランプ時代が始まった。有罪評決を受けた重罪犯でも国政のトップに立てるし、もうすぐ80歳でも大統領になれる時代だ。こうなれば何でもあり。もはや政治評論家の出番などなさそうだが、トランプ圧勝の大統領選を終えた今、確実に言えることが5つある。

◇ ◇ ◇


①「異常」ではなくスタンダードに

アメリカにとって21世紀はトランプの世紀となった。バラク・オバマは人種差別に基づく奴隷制のあった国で初の黒人大統領となったことで歴史に名を残したが、今やトランプこそが最大の歴史的な人物だ。第45代と第47代の大統領だとか、オバマの後継者を2人も打ち負かしたというだけではない。生きている限り、トランプは共和党で最大の影響力を持ち続けるだろう。

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