最新記事
日本政治

首相指名で石破氏が第103代首相に選出、きょう組閣...「厳しい政権運営」

2024年11月11日(月)16時58分
第103代首相に自民党の石破茂総裁

11月11日午後、衆議院は本会議で首相指名選挙を行い、第103代首相に自民党の石破茂総裁を選出した。写真中央は立ち上がって拍手を受ける石破氏。都内で同日撮影(2024年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

衆議院は11日午後の本会議で首相指名選挙を行い、第103代首相に自民党の石破茂総裁を選出した。この後、直ちに組閣に着手する。衆院選で与党が過半数割れとなったことで1回目の投票では決着がつかず、石破首相と立憲民主党の野田佳彦代表による決選投票となった。首相指名選挙での決選投票は、村山富市首相(当時)を選出した1994年以来30年ぶり。

衆院の投票総数は465票(過半数233票)。第1回投票では石破氏221票、野田氏151票と上位2人がいずれも過半数に満たず、両者での決選投票となった。その他の得票数は日本維新の会の馬場信幸代表38票、国民民主党の玉木雄一郎代表28票、れいわ新選組の山本太郎代表9票、共産党の田村智子委員長8票などとなった。


 

第2回投票での得票数は、石破首相221票、野田代表160票、決選投票の2人以外の氏名が書かれた無効票84。この結果、石破氏が首相に選出された。

参議院の首相指名選挙では1回目の投票で石破氏が過半数(120票以上)を獲得した。石破氏の獲得票数は142、野田氏は46だった。

石破首相は直ちに組閣に着手する。衆院選で落選した農相・法相と、斉藤鉄夫氏の公明党代表就任に伴い国交相の3閣僚以外は再任される見込みで、皇居での首相任命式と閣僚認証式を経て、自民、公明両党連立による第2次石破内閣が11日中に発足する見通しとなっている。

少数与党に転じた自公は、策定中の2024年度補正予算案や25年度予算案を含む全ての予算・法案の実現に野党の協力が不可欠となっており、衆院選で議席を4倍に増やした国民民主党と政策面で協議を進めている。

国民民主が求める年収103万円の壁撤廃やガソリンを含む自動車関連税の引き下げは巨額の財政支出を伴うため、与党側がどこまで要求をのめるのかが焦点。国民民主側も自公政治に対する批判的な声を取り込んで党勢を拡大してきただけに、来年夏の参院選を控えてどこまで与党協力を進められるか注目される。

このため、自民党内では国民民主以外に維新などとも政策連携を模索すべきとの声も出ているが維新側は正式協力を拒否しており、石破政権は難しい政権運営を余儀なくされそうだ。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 健康長寿の筋トレ入門
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年9月2日号(8月26日発売)は「健康長寿の筋トレ入門」特集。なかやまきんに君直伝レッスン/1日5分のエキセントリック運動

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


食と健康
「60代でも働き盛り」 社員の健康に資する常備型社食サービス、利用拡大を支えるのは「シニア世代の活躍」
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

インド北部で大雨による洪水・地滑り、30人以上死亡

ワールド

台湾、新経済部長に元TSMC取締役

ビジネス

米クラッカー・バレル、トランプ氏らの反発受け旧ロゴ

ビジネス

三菱商、洋上風力発電計画から撤退 資材高騰などで建
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:健康長寿の筋トレ入門
特集:健康長寿の筋トレ入門
2025年9月 2日号(8/26発売)

「何歳から始めても遅すぎることはない」――長寿時代の今こそ筋力の大切さを見直す時

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ女性が目にした光景が「酷すぎる」とSNS震撼、大論争に
  • 2
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット民が「塩素かぶれ」じゃないと見抜いたワケ
  • 3
    脳をハイジャックする「10の超加工食品」とは?...罪悪感も中毒も断ち切る「2つの習慣」
  • 4
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密…
  • 5
    皮膚の内側に虫がいるの? 投稿された「奇妙な斑点」…
  • 6
    「美しく、恐ろしい...」アメリカを襲った大型ハリケ…
  • 7
    イタリアの「オーバーツーリズム」が止まらない...草…
  • 8
    【クイズ】1位はアメリカ...稼働中の「原子力発電所…
  • 9
    「ありがとう」は、なぜ便利な日本語なのか?...「言…
  • 10
    「1日1万歩」より効く!? 海外SNSで話題、日本発・新…
  • 1
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 2
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ女性が目にした光景が「酷すぎる」とSNS震撼、大論争に
  • 3
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家のプールを占拠する「巨大な黒いシルエット」にネット戦慄
  • 4
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 5
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 6
    中国で「妊娠ロボット」発売か――妊娠期間も含め「自…
  • 7
    皮膚の内側に虫がいるの? 投稿された「奇妙な斑点」…
  • 8
    なぜ筋トレは「自重トレーニング」一択なのか?...筋…
  • 9
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密…
  • 10
    20代で「統合失調症」と診断された女性...「自分は精…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 7
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 10
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中