マクドナルド、食中毒問題で原因究明や信頼回復へ対応急ぐ
10月23日、米マクドナルドのハンバーガー「クォーターパウンダー」を食べた人が腸管出血性大腸菌O157による食中毒になった問題で、同社は原因究明や信頼回復に向けた対応を急いでいる。コロラド州ウェストミンスターで2017年撮影(2024年 ロイター/Rick Wilking)
米マクドナルドのハンバーガー「クォーターパウンダー」を食べた人が腸管出血性大腸菌O157による食中毒になった問題で、同社は原因究明や信頼回復に向けた対応を急いでいる。食中毒の症状が出たのはこれまでに49人で、うち1人が死亡。米疾病対策センター(CDC)によると、10人が入院した。
CDCの広報担当者は「今後食中毒の件数が増えると予想される。マクドナルドはかなり迅速に手を打っており、できるだけ多くの発生を防ぐことを期待している」と述べた。
過去に米大手ファストフードチェーンで起きたO157の食中毒では、消費者が何カ月も当該チェーンの利用を避ける事態を招いている。
こうした中で、マクドナルドは全米1万4000店のうち約2割でクォーターパウンダーをメニューから外した。米国部門のジョー・アーリンガー社長は、人々の信頼を取り戻すことが必要だと強調した。
クォーターパウンダーがメニューから外されたのは、コロラド、カンザス、ユタ、ワイオミングの各州と、アイダホやアイオワ、ミズーリ、モンタナ、ネブラスカ、ネバダ、ニューメキシコ、オクラホマといった州の一部。
CDCとマクドナルドは、細切りにした生のタマネギと牛肉のパティが食中毒の原因ではないかとみて詳しく調べている。
マクドナルド広報担当者が牛肉による食中毒の可能性がまだ否定できないと表明した23日、同社株は前日比5.1%安の298.57ドルで取引を終えた。取引時間中には一時290.88ドルまで売り込まれた。
アナリストは、今回の件でマクドナルドのブランド力が打撃を受ける恐れがあると警告している。
CFRAリサーチのアナリスト、アルン・サンダラム氏は「最悪のシナリオならば、食中毒件数がさらに拡大するか、複数の食材ないしサプライヤーに影響が及び、問題が長期化してブランドが傷つきかねない」と指摘した。
マクドナルドのアーリンガー氏は「直近24時間の出来事を踏まえると、われわれが優先すべきは米消費者の信頼を再び確固としたものにすることだ」と強調した。
アナリストによると、この問題がマクドナルドの2024年第4・四半期売上高を圧迫する可能性はあるものの、現時点では過去のO157による食中毒よりも強い逆風になるかどうかはまだ判断できないとしている。
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