最新記事
ドラック

「人骨」を原料とした激ヤバ麻薬が蔓延、年間数百人が死亡し墓荒らしまで急増...

2024年8月19日(月)13時38分
茜灯里(作家・科学ジャーナリスト)
シエラレオネで蔓延 人骨由来の激ヤバ麻薬

常用すると臓器不全などを起こし死に至るKUSH

<シエラレオネで「死の罠」にハマる人が続出...社会の混乱と医療資源の逼迫を理由に国家非常事態宣言が発令された>

西アフリカのシエラレオネでは、人骨を原料とした合成麻薬「KUSH(クシュ)」が6年ほど前から蔓延している。

毎年推定数百人が死亡し、近年は墓荒らしも急増。ジュリウス・マーダ・ビオ大統領はKUSHを「死の罠」と呼び、社会の混乱と医療資源の逼迫を理由に今年4月に国家非常事態宣言を発令した。

KUSHはフェンタニル、トラマドール、ホルマリンなどを原料とする依存性が高い向精神薬だ。

なぜ人骨を含むのかは不明だが、同国内では「製造には人骨が必要」という噂が広まり、墓を掘り起こして遺体を盗む事件が増加している。現在、首都フリータウンの東部にある共同墓地には夜間に警察が配置されている。

このドラッグを常用すると手足が腫れ上がり、臓器不全や精神疾患を引き起こして死に至る。深刻なのは、1回分が約30円と安価なことから、とりわけ若者の間で急激に広がっていることだ。

背景には、コロナ禍の失職や仕事の機会自体の激減がある。BBCは「最近数カ月間では、フリータウンだけで数百人の若い男性がKUSHによる臓器不全で死亡している」という医師の言葉を報じている。

なお、日本でもクシュという名の危険ドラッグが出回っているが、多くは大麻の一種で人骨は含まれていないようだ。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:イラン戦争でインフレ再燃、トランプ政権に

ビジネス

NY外為市場=ドル下落、中東停戦維持期待で安全資産

ワールド

イラン交渉団がパキスタン到着、レバノン停戦要求 米

ビジネス

米国株式市場=まちまち、中東交渉控え様子見 ハイテ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプの大誤算
特集:トランプの大誤算
2026年4月14日号(4/ 7発売)

国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収される...潜水艦の重要ルートで一体何をしていた?
  • 2
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 3
    停戦合意後もレバノン猛攻を続けるイスラエル、「国防軍は崩壊寸前」
  • 4
    撃墜された米国機から財布やID回収か、イラン側が拡…
  • 5
    目のやり場に困る...元アイスホッケー女性選手の「密…
  • 6
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 7
    中国がイラン戦争一時停戦の裏で大笑い...一時停戦に…
  • 8
    「仕事ができる人」になる、ただ1つの条件...「頑張…
  • 9
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 10
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 3
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収される...潜水艦の重要ルートで一体何をしていた?
  • 4
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで…
  • 5
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 6
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始め…
  • 7
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐ…
  • 8
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 9
    撃墜された米国機から財布やID回収か、イラン側が拡…
  • 10
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収され…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中