最新記事
ウクライナ情勢

苦悩増すゼレンスキー大統領...戦争は「素人大統領」をどう変えたのか

2024年7月18日(木)20時20分

EU高官は「ゼレンスキー氏は、ウクライナが何を必要としているか、我々が何をする必要があり、さもなければどのような結果に直面するかを15回は繰り返し、諦めない」と語る。

別のEU当局者は、ゼレンスキー氏が西側諸国に対するいら立ちを強めていると指摘。必要不可欠な同盟国との関係を悪化させないよう「慎重に行動する」ことを勧めると述べた。


 

ロイターの取材に応じた2人のEU当局者によると、ゼレンスキー氏が外国当局者との会合や電話会議の場で同じメッセージを力説し、自らの大義を辛抱強く訴えているという。

しかし最近、国際支援を集めロシアを孤立させることを狙ってスイスで開催された「平和サミット」以降、その論調に微妙ではあるが注目すべき変化が現れた。ゼレンスキー氏は戦争の公正な決着が緊急に必要であると強調し、今年後半に開催する2回目のサミットにはロシア側代表を招く可能性についても口にした。

ゼレンスキー氏は6月28日、スロベニア大統領との会談の後、「私たちはこの戦争を長引かせることは望んでおらず、できるだけ早期に公正な平和に到達しなければならない」と語った。

昨年、リトアニアの首都ビリニュスで開催されたNATO首脳会議に向かう途中、ゼレンスキー氏はNATOへのプレッシャーを強めようとして、加盟に向けた時間軸が提示されないのは「ばかげている」とNATOを批判した。

NATO加盟というゴールは相変わらず不透明なままだが、今月ワシントンを訪れたゼレンスキー氏はそこまで攻撃的ではなく、大統領首席補佐官は、同氏が今回の訪米の結果に満足していると述べた。

ゼレンスキー氏自身は、例外的な状況下でウクライナの指導者としてどう行動してきたかに関する質問を避けてきた。

大統領就任から5年が経過するのに合わせてキーウで行われたロイターのインタビューで、「自分の行動を評価することはできない。あまり倫理的ではないと思う」と述べた。「私はウクライナ大統領であることを誇りに思う。これがこの5年間の私の姿勢だ」



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 日本人が知らない AI金融の最前線
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年3月3号(2月25日発売)は「日本人が知らない AI金融の最前線」特集。フィンテックの進化と普及で、金融はもっと高速に、もっとカジュアルに[PLUS]広がるAIエージェント

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

FRB、年内4回の0.25%利下げ必要 物価問題は

ワールド

米イラン3回目核協議、「合意枠組み」の可能性 依然

ビジネス

米新規失業保険申請件数は4000件の小幅増、労働市

ワールド

印イスラエル、防衛分野での協力強化へ 労働者受け入
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
2026年3月 3日号(2/25発売)

フィンテックの進化と普及で、金融はもっと高速に、もっとカジュアルに

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの謎判定に「怒りの鉄拳」、木俣椋真の1980には「ぼやき」も
  • 2
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 3
    戦術は進化しても戦局が動かない地獄──ロシア・ウクライナ戦争5年目の現実
  • 4
    住宅の4~5割が空き家になる地域も......今後30年で…
  • 5
    中国で今まで発見されたことがないような恐竜の化石…
  • 6
    「まるで別人...」ジョニー・デップの激変ぶりにネッ…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 9
    「IKEAも動いた...」ネグレクトされた子猿パンチと「…
  • 10
    「バカにされてる」五輪・選手村で提供の「アメリカ…
  • 1
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 2
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 3
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体には濾過・吸収する力が備わっている
  • 4
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの…
  • 5
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 6
    「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官…
  • 7
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 8
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 9
    海外(特に日本)移住したい中国人が増えている理由.…
  • 10
    100万人が死傷、街には戦場帰りの元囚人兵...出口な…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 5
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 6
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 9
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中