最新記事
映画

笑って泣ける露出度高めのラブコメ『恋するプリテンダー』が日本に上陸、世界的大ヒットの理由を監督に聞く

Rom-Com Is Back!

2024年5月8日(水)17時45分
小暮聡子(本誌記者)

newsweekjp_20240508083735.jpg

シドニーのオペラハウス前で撮影するグラック監督(左)と主演のシドニー・スウィーニー

――映画の舞台にオーストラリアのシドニーを選んだのはどうして?

これまでに『ピーターラビット』シリーズの2作品をシドニーで撮影したのだが、両方とも舞台はイギリスである体裁で撮らなければならなかった。でもシドニーはとても美しい街で、ビーチと建築物も素晴らしい。僕の家族もシドニーが大好きだから、また一緒に行きたかったというのも本音だ。

――『ピーターラビット』もそうだが、グラック監督の実の父親であるピーター・グラック氏(ニューヨークの著名な建築家)が今回の作品にもセリフ付きで出演していて、そのシーンが最高に笑える。ピーターはグラック監督の全ての作品に出演しているというのは本当?

父と、僕の子供たちは全ての作品に出演している。子供たちは5歳か6歳くらいのときからセリフ付きで出ているのだが、彼らは撮影されるのが本当に嫌い。人生最悪の日だって、いつも言っている。(編集部注:ピーターは、シドニーに向かう飛行機の中のシーンに登場)

――どうしてそんなに嫌がるの?

200人のスタッフたちの前で、自分の父親からこうしろああしろと言われることを想像してみて(笑)。

――それはちょっと恥ずかしい(笑)。グラック監督の母親は、ニューズウィークにも寄稿してくれているコロンビア大学名誉教授(歴史学)のキャロル・グラック先生だ。ピーターが映画の中で読んでいるのはグラック先生の本?

そう、父が映画の中で読んでいるのは母の著作だ。母の本は他のシーンにも登場している。

――グラック監督は幼少期に両親の仕事の関係で日本に住んでいて、大学時代に上智大学に留学していたそうだが、日本で映画を撮る予定は?

東京で映画を撮りたいとずっと思っている。当時は大学の学生寮に住んでいて、立地も東京のど真ん中なので最高に楽しい1年だった。

――日本語を話せる監督にぜひ聞きたい。原題『Anyone But You』につけられた邦題『恋するプリテンダー』をどう思った?

いつも邦題にはノータッチなのだが、内容に対してとても直球。どんな内容かをそのまま伝えるタイトルだなと思っている。逆に、あなたはこのタイトルをどう思った?

――正直、軽いなと......(苦笑)。でも内容はとても面白い。最後に、日本の人たちにメッセージを。

「ラブコメ」が好きな人、オーストラリアが好きな人、誰かと一緒に楽しい時間を過ごすことが好きな人は、ぜひ友人や大切な人と一緒にこの作品を見に行ってほしい。見終わった後は、幸せな気持ちで映画館を後にできるから。

――日本でも、上映中に声を上げて笑ってもいい?

もちろんイエス(笑)。僕が許可します。

newsweekjp_20240508083919.jpg

タイタニックのつもりが!?主人公の2人がシドニーの海でおぼれそうになる

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米ISM製造業景気指数、4月48.7 関税の影響で

ワールド

トランプ氏、ウォルツ大統領補佐官解任へ=関係筋

ビジネス

物言う株主サード・ポイント、USスチール株保有 日

ビジネス

マクドナルド、世界の四半期既存店売上高が予想外の減
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ウクライナ戦争は終わらない──ロシアを動かす「100年…
  • 5
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 6
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 7
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 8
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 9
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 10
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 8
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中