最新記事
エルサレム

イスラエル国民、初のイラン直接攻撃に動揺 戦火拡大を懸念

2024年4月15日(月)11時23分
ロイター

イスラエルに対する宿敵イランの初の直接攻撃はイスラエル国民を震え上がらせ、戦火が拡大するとの懸念が広がった。写真は14日、テルアビブで撮影(2024年 ロイター/Hannah McKay)

イスラエルに対する宿敵イランの初の直接攻撃はイスラエル国民を震え上がらせ、戦火が拡大するとの懸念が広がった。

イスラエル国内では、イランが支援するイスラム組織ハマスによる攻撃を受けて空襲警報が鳴り響くことは以前からよくあったが、13日夜にイランがイスラエルに多数の無人機(ドローン)やミサイルを発射したことは、中東の対立構図に新たな不安要素をもたらした。

イスラエルはイランが発射した300超のドローンやミサイルのほぼ全てを迎撃し、小規模な被害にとどめたと表明した。

 

ただ、被害は小さくても、地域大国イランと直接交戦した経験のないイスラエル国民の動揺は大きかった。夜間にイスラエル上空にはイランの兵器や迎撃弾が光った。

エルサレムに住むセシル・スムロウィッツさんは「夜中にブーンという音が聞こえ始めたときはかなり怖かった。それが何なのかは分かっていたが、規模が分からなかった」と話した。

「でも、イスラエル軍が切り抜けてくれたおかげで今のところ静かだし、この状態が続くことを願っている」とした。

イランは、シリアの首都ダマスカスにあるイラン大使館周辺に対する今月初めの攻撃に報復したとしている。

<イスラエルの反撃けん制>

イランは14日、イスラエルに対し前日実施した攻撃に同国が報復すれば、さらに大規模な攻撃に踏み切ると警告した。また、イランに対するイスラエルの軍事行動を米国が支援すれば、米軍基地が標的になるとけん制した。

イスラエルのネタニヤフ首相は同国にとってイランが現実的な脅威になっていると繰り返し国際社会に訴えてきた。イランが発射したドローンとミサイルをほぼ全て撃墜したと国軍が発表したことを受け、勝利を収めると表明した。

エルサレム郊外に住むジェレミー・スミスさん(60)は「大きな戦争にならないことを強く願っている。イスラエル国民は誰も大きな戦争を望んでいない。イランの攻撃がこれで終わることを願う」と話す。

それでもなお「国全体がミサイルとドローンに覆われたのだからイスラエルは対応するだろう。これは仕方がない。しかし、どうにかして歯止めをかける必要がある」と述べた。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 トランプの大誤算
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年4月14号(4月7日発売)は「トランプの大誤算」特集。国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

FAA、航空管制官研修生2300人の採用を要求

ワールド

ウクライナ企業、低コスト防空網開発へ パトリオット

ビジネス

米メディケア・アドバンテージ向け政府支払金、最終引

ワールド

アルテミス2の宇宙船オリオン、人類の最遠到達記録を
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプの大誤算
特集:トランプの大誤算
2026年4月14日号(4/ 7発売)

国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐせ・ワースト1
  • 3
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙の2大テーマでAI懸念を払拭できるか
  • 4
    地面にくねくねと伸びる「奇妙な筋」の正体は? 飛行…
  • 5
    トランプ、イランに合意期限「米東部時間6日午前10時…
  • 6
    「高市しぐさ」の問題は「媚び」だけか?...異形の「…
  • 7
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始め…
  • 8
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 9
    人口減の自治体を救う「小さな浄水場」──誰もが常に…
  • 10
    スパイス企業の新戦略...エスビー食品が挑む「食のア…
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 3
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始めた限界
  • 4
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐ…
  • 5
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 6
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 7
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙…
  • 8
    中国がイラン戦争最大の被害者? 習近平の誤った経…
  • 9
    「高市しぐさ」の問題は「媚び」だけか?...異形の「…
  • 10
    年金は何歳からもらうのが得? 男女で違う「最適な受…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの…
  • 6
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 7
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中