「核実験場の風下には人が住んでいた」アカデミー賞『オッペンハイマー』が描かなかった被曝の真実
A GLARING OMMISSION
1945年7月16日、ニューメキシコ州アラモゴードにあるトリニティ実験場で史上初の核実験が行われた JACK AEBYーCORBIS/GETTY IMAGES
<ニューメキシコの核爆弾実験場の近隣には、先住民やメキシコからの移民が住んでいた。映画から抜け落ちた住民の被曝被害の実態に見えるアメリカの「誤った理想」。本誌「オッペンハイマー アメリカと原爆」特集より>
今年のアカデミー賞で主要7部門を制した『オッペンハイマー』(クリストファー・ノーラン監督)が時代を超えて語り継がれる名作であることは、たぶん間違いない。その点に異論を唱えるつもりはない。
しかし批判すべき点はある。とりわけ、あの3時間の大作で語られなかった部分だ。例えば、広島や長崎で犠牲になった人たちのこと。
ああ、その話なら日本映画でたくさん語られているよ。そんな反論が(少なくともアメリカ国内では)返ってくることは承知している。では、こちらはどうか?
戦時の国策で原爆の開発が進められ、その具体的な作業と実験が行われた米ニューメキシコ州で生き、その最も恐ろしい影響を身に受けた地元の人たちはどこへ消えたのか?
当時、原爆開発に携わった科学者たちが拠点としていたのはニューメキシコ州ロスアラモスだ。しかし暗号名で「トリニティ」と呼ばれた核実験場のあった場所は、ロスアラモスから約320キロ以上も離れていた。
この隔たりが映画『オッペンハイマー』では不分明だ、と指摘するのはルイジアナ州立大学准教授のジョシュア・ウィーラー。
先ごろ科学史研究所(フィラデルフィア)の機関誌「ディスティレーションズ」に、トリニティ核実験の最も深刻な影響を受けた人々(とその子孫)に関する詳細な調査報告を寄せた人物だ。
調査対象は俗に「風下の民」と呼ばれる人たちで、みんな当時の核関連施設で働いていたか、実験場の風下に暮らしていた。
複雑な話と大勢の人物を3時間の枠に押し込めた映画だから、些細な事実関係に触れる余裕はなかったのかもしれない。だが、消し去られた真実はあまりにも重い。
そもそも、当時の政府がニューメキシコ州の複数の地域から住民を強制退去させた事実が消し去られている。
「この映画で映し出されるニューメキシコの土地には、見渡す限り誰もいない。もちろん映画的には美しい光景だが、当時の現実を映し出してはいない」と、ウィーラーは言う。
ちなみに彼の家族も当時トリニティの近くで牧場を経営していたが、戦時の強制収用法により、無理やり土地を奪われていた。
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