最新記事
兵器

それで兵士を守れるはずが...ロシア兵、「ゴルフカート」で進軍するも「地雷」の餌食になる瞬間

Ukraine Touts Video of Russians Blown Up on Golf Cart: 'Cosmonaut Training'

2024年3月9日(土)20時14分
イザベル・ファン・ブリューゲン
ロシア軍のデザートクロス1000-3(通称「ゴルフカート」)

MILITARY REVIEW/YouTube

<ロシアのショイグ国防相がプーチン大統領に防衛産業の新技術と紹介した中国製の全地形対応車「デザートクロス1000-3」だが>

中国製の全地形対応車「デザートクロス1000-3」(通称「ゴルフカート」)に乗っていたロシア軍の兵士らが、対戦車地雷で爆破された瞬間だとする映像が公開された。通称からも分かるように、側面の壁などがなく、ほぼむき出しの状態で兵士たちが乗り込む仕様であるため、攻撃から彼らを守る能力はほぼ期待できない。

■【動画】閲覧注意:さすがに無謀...中国製「ゴルフカート」で進軍するロシア兵、地雷で吹き飛ばされる

ウクライナの軍事メディア、ミリタルヌイによると、ロシア軍は昨年秋から戦闘にデザートクロス1000-3を使用している。ウクライナに展開するロシア軍は、同車両をすでに530台保有しており、さらに1600台を購入する契約が結ばれる予定だという。

ウクライナの軍事ブロガーでX(旧Twitter)のユーザー、ウクラニアン・フロントは「上陸部隊を乗せたロシアのバギーが、ザポリージャ州で対戦車地雷によって爆破された」として、この衝撃的な映像を共有した。

こうした映像は、2022年にロシアがウクライナに本格侵攻を開始して以来、両国のプロパガンダ合戦において重要な役割を果たしている。本誌は、この動画が撮影された時期や場所を独自に検証できておらず、ロシア国防省にメールでコメントを求めている。

「ゴルフカート」による襲撃も撃退

ウクライナ陸軍の第60独立機械化旅団は3月4日、東部ドネツク州のリマン近郊で、ロシア軍がデザートクロス1000-3を使ってウクライナ軍の拠点を襲撃したとする動画を公開した。

同旅団は、3波にわたる「ロシアの大規模攻撃」を撃退したと主張。ドローンで撮影した映像には、ウクライナ軍がロシア軍の車両を遠くから狙う様子が映っている。

「ロシアは、戦車、歩兵戦闘車、人力、さらには(ロシア国防相セルゲイ・)ショイグの中国製『ゴルフカート』まで使った。(ゴルフカートは)ショイグがプーチンに対して、防衛産業の新技術として紹介したものだ」と同旅団は説明した。

「逃げられなかったものはすべて、ウクライナの地に鉄くずとして転がっている。われわれは怪物をすべて駆逐する。そうすればこの土地は再び清浄になり、花を咲かせるだろう!」

ウクライナの軍事専門メディア、ディフェンス・エクスプレスによると、デザートクロス1000-3は、捜索救助活動、急襲、パトロール、偵察、装備品の輸送に使用できるという。

ニューズウィーク日本版 ISSUES 2026
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月30日/2026年1月6号(12月23日発売)は「ISSUES 2026」特集。トランプの黄昏/中国AIに限界/米なきアジア安全保障/核使用の現実味/米ドルの賞味期限/WHO’S NEXT…2026年の世界を読む恒例の人気特集です

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=円が軟化、介入警戒続く

ビジネス

米国株式市場=横ばい、AI・貴金属関連が高い

ワールド

米航空会社、北東部の暴風雪警報で1000便超欠航

ワールド

ゼレンスキー氏は「私が承認するまで何もできない」=
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 6
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 7
    中国、米艦攻撃ミサイル能力を強化 米本土と日本が…
  • 8
    【世界を変える「透視」技術】数学の天才が開発...癌…
  • 9
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 10
    赤ちゃんの「足の動き」に違和感を覚えた母親、動画…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中