最新記事
ウクライナ戦争

ロシアとの戦場への出撃はいつ? ウクライナが、ジェットエンジン搭載「新型」カミカゼドローンを公開

Video of Ukraine's mystery jet-propelled "kamikaze" drone fuels speculation

2024年1月26日(金)19時46分
エリー・クック
ウクライナ軍のドローン操縦士

ドローンを操縦するウクライナの兵士(2022年11月) EYEPRESS via Reuters Connect

<ドローンが主役となっているウクライナでの戦争。ジェットエンジン搭載型の試験飛行の様子と見られる映像が公開された>

ロシアとウクライナが互いにドローン開発でしのぎを削るなか、ウクライナがジェットエンジンを搭載した自爆型ドローンの試験を行っている様子だという動画が浮上した。動画には、前方に短い翼が付いた独特の形状をした無人の航空機が、自在に空を飛び回っている様子が映っており、かなりのスピードが出ているように見える。

■【動画】段違いのスピード...ウクライナ軍が公開した、ジェットエンジン搭載「新型」カミカゼドローンの映像

ウクライナのメディアが投稿した短い動画は、ジェットエンジンを搭載したウクライナの「新型」自爆型ドローンの「試験が順調に進んでいる」らしいことを示している。

本誌はこの動画の信ぴょう性について独自に確認することはできず、ウクライナ当局にコメントを求めたが現在までに返答はない。

イギリス在住のドローンの専門家、スティーブ・ライトは本誌に対して、「このドローンは、昨年モスクワを攻撃したウクライナの国産ドローン『ビーバー』とよく似た先尾翼(前方に小さな翼がある)機で打ち上げシステムも同じだが、大きな進化を遂げている」と述べた。

長距離ドローン「ビーバー」はモスクワ攻撃に使用

長距離自爆型ドローンの「ビーバー」は、2023年にモスクワに対する攻撃で使われたドローンだ。「ビーバー」はガソリンエンジンを搭載した先尾翼機とされている。

ライトは、ガソリンエンジンだとドローンの最高速度は時速210キロ程度が限界だと指摘。これを安価なジェットエンジンに替えることで最高時速320キロ程度を達成することが可能で、また「(ビーバーよりも)やや湾曲した翼からも、新型ドローンがそれぐらいの速度で飛行することを想定した設計であることが伺える」と主張した。

ウクライナのメディアは今月はじめ、ウクライナ人の軍事ブロガーの記事を引用し、ウクライナ軍が初めて、ロシア軍が多用している自爆型ドローン「シャヘド131」「シャヘド136」のアップグレード版でジェットエンジンを搭載した「シャヘド238」を迎撃したと報じた。ウクライナ空軍はこれを確認していないが、ロシアは2023年末に、近いうちにジェットエンジン搭載型のシャヘドを使用するとほのめかしていた。

シャヘド238がウクライナの戦場に出現した事実は確認されていないものの、軍事・兵器専門家のデービッド・ハンブリングは1月9日に本誌に対して、「十分にあり得ることだ」と述べた。

投資
「FXで長期投資」という投資の新たな選択肢 トライオートFX「世界通貨セレクト」とは?
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中・大型トラックに25%関税、11月1日から=トラ

ワールド

ロ・イスラエル首脳が電話会談、中東情勢など巡り協議

ビジネス

ユーロ圏「ディスインフレの過程終了」、物価巡るリス

ワールド

CBSニュース編集長にオンラインメディア創業者、米
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:中国EVと未来戦争
特集:中国EVと未来戦争
2025年10月14日号(10/ 7発売)

バッテリーやセンサーなど電気自動車の技術で今や世界をリードする中国が、戦争でもアメリカに勝つ日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレクトとは何か? 多い地域はどこか?
  • 2
    赤ちゃんの「耳」に不思議な特徴...写真をSNS投稿すると「腎臓の検査を」のコメントが、一体なぜ?
  • 3
    祖母の遺産は「2000体のアレ」だった...強迫的なコレクションを受け取った男性、大困惑も「驚きの価値」が?
  • 4
    一番お金のかかる「趣味」とは? この習慣を持ったら…
  • 5
    筋肉が育つだけでは動けない...「爆発力」を支える「…
  • 6
    メーガン妃とキャサリン妃の「オーラの違い」が話題…
  • 7
    「不気味すぎる」「昨日までなかった...」ホテルの天…
  • 8
    「美しい」けど「気まずい」...ウィリアム皇太子夫妻…
  • 9
    監視カメラが捉えた隣人の「あり得ない行動」...子供…
  • 10
    イエスとはいったい何者だったのか?...人類史を二分…
  • 1
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 2
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外な国だった!
  • 3
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最悪」の下落リスク
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
  • 6
    赤ちゃんの「耳」に不思議な特徴...写真をSNS投稿す…
  • 7
    ウクライナにドローンを送り込むのはロシアだけでは…
  • 8
    更年期を快適に──筋トレで得られる心と体の4大効果
  • 9
    MITの地球化学者の研究により「地球初の動物」が判明…
  • 10
    「元は恐竜だったのにね...」行動が「完全に人間化」…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 5
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 6
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 7
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 8
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 9
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 10
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中