最新記事
中東

ガザ戦闘24日午前7時に休止、人質解放第1弾は女性・子ども13人

2023年11月24日(金)11時00分
イスラエルの攻撃で煙の上がるガザ市街地

イスラエルとイスラム組織ハマスはパレスチナ自治区ガザでの戦闘休止を24日午前7時に開始し、同日午後4時に最初の人質が解放される。ガザで撮影(2023年 ロイター/Alexander Ermochenko)

イスラエルとイスラム組織ハマスはパレスチナ自治区ガザでの戦闘休止を24日午前7時(日本時間同日午後2時)に開始し、同日午後4時(同日午後11時)に最初の人質が解放される。イスラエルとハマスの交渉を仲介しているカタールが23日発表した。

カタール外務省報道官によると、解放される全ての民間人の氏名が記載されたリストが合意された。第1弾として開放されるのは女性と子ども13人という。この合意が恒久的な停戦につながることを目指しているとした。

報道官は「同じ家族が人質となっている場合、最初のグループと一緒に解放されるだろう」とし、4日間で計50人の人質が解放されると述べた。

戦闘休止については、ガザの南部と北部双方での包括的な休止になると述べた。

また、合意の一環で、イスラエルの刑務所からパレスチナ人が釈放される見通しとしたものの、24日にイスラエルの刑務所から釈放される女性や子どもの人数や時間などの詳細については明確にしなかった。

ドーハに設置された作戦指揮所が戦闘休止や人質解放の状況を監視し、イスラエルやドーハにあるハマス政治部門の事務所、赤十字国際委員会(ICRC)とリアルタイムのコミュニケーションを維持するとも説明した。

イスラエル首相府は、最初に解放される人質のリストを受け取ったと発表。詳細を確認し、親族らと連絡を取っているという。

交渉を仲介したエジプトも戦闘停止の開始日時を確認し、人質13人が解放されると述べた。また、1日当たり200台の援助トラック、ディーゼル油13万リットル、ガス輸送トラック4台がガザに入ると指摘。支援物資はこれまでより増えるが、国連などが必要とする量ははるかに下回るという。

ハマスはテレグラムを通じ、戦闘休止は4日続くと発表。ハマス武装組織「アル・カッサム旅団」とイスラエル軍による全ての軍事行動が休止される。さらに、ガザ南部上空での「敵機」による飛行は完全に停止され、ガザ市と北部の上空でも毎日午前10時から午後4時まで6時間飛行が停止されるという。

ただ、こうした中でもカッサム旅団のアブ・ウバイダ報道官は、イスラエルとの対決のエスカレートを主張。アルジャジーラTVが放映したビデオ演説で「ヨルダン川西岸全域と全ての抵抗戦線において、占領軍との対決をエスカレートさせることを呼びかける」と述べた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2023トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 高市早苗研究
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年11月4日/11日号(10月28日発売)は「高市早苗研究」特集。課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら



SDGs
2100年には「寿司」がなくなる?...斎藤佑樹×佐座槙苗と学ぶ「サステナビリティ」 スポーツ界にも危機が迫る!?
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:アマゾン熱帯雨林は生き残れるか、「人工干

ワールド

アングル:欧州最大のギャンブル市場イタリア、税収増

ビジネス

米肥満薬開発メッツェラ、ファイザーの100億ドル買

ワールド

米最高裁、「フードスタンプ」全額支給命令を一時差し
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216cmの男性」、前の席の女性が取った「まさかの行動」に称賛の声
  • 3
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 6
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 7
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 8
    【銘柄】元・東芝のキオクシアHD...生成AIで急上昇し…
  • 9
    「非人間的な人形」...数十回の整形手術を公表し、「…
  • 10
    なぜユダヤ系住民の約半数まで、マムダニ氏を支持し…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 6
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 9
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 10
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中