最新記事
ウクライナ戦争

「映画化すべき!」 たった1人のロシア兵が、ウクライナ部隊を撃退する動画...ロシアでは「英雄」を絶賛する声

Combat Footage Shows Entrenched Russian Soldier Hold Off Dozen Ukrainians

2023年9月23日(土)18時28分
ブレンダン・コール
ロシア軍兵士のイメージ画像

写真はイメージです DZMITRY SCHAKACHYKHIN/Shutterstock

<ウクライナの反攻の「遅れ」はゼレンスキー大統領も認めているが、そうした中でロシア兵の「奮闘」動画が注目を集めている>

苦戦の続くロシア軍にとっては、「英雄の登場」のように感じられたかもしれない。1人のロシア軍兵士が、多数のウクライナ軍兵士を相手にしながら塹壕を占拠し、敵部隊を撃退する様子を捉えたとされる映像が公開され、注目を集めている。ロシア側は、「映画化に値する」と大盛り上がりのようだ。

■【動画】たった1人のロシア兵が、ウクライナ部隊を相手に陣地を守り切り、撃退する様子

親ロシアのテレグラムチャンネル「Readovka」は9月16日、ドローンの映像を投稿し、ロシア軍の第37旅団第8機動小銃連隊の1人の兵士が、「12人のウクライナ兵」と戦っている様子だと説明した。「我が国の兵士が、手榴弾を投げつけられる中、勇敢に塹壕を守った」と同チャンネルは述べている。

映像にはドラマチックな音楽がつけられ、Redditでも共有されている。塹壕の一方には兵士の集団がおり、もう一方にロシア兵とされる兵士1人がいる。手榴弾が投げられて爆発が何度か起こり、映像の最後でウクライナ兵が逃げ去っている。

「ウクライナの武装勢力は拠点から脱出し、銃撃を止めた」とReadovkaは述べ、ロシア兵が「たった1人で敵の陣地を奪い、真の英雄であることを証明した」と主張した。さらに、「戦場の1人の戦士」を捉えたこの映像は、「映画化に値する」とまで称賛している。

この映像についてソーシャルメディアでは、ロシア兵に対する賞賛が沸き起こった一方で、なぜ彼は1人で取り残されたのかという疑問が投げかけられるなど、話題を呼んでいる。

撮影された場所や日付は記されておらず、ニューズウィークはこの映像について確認ができていない。

双方が激しい攻撃を展開

ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は、17日に放送されたCBSニュースの番組で、6月上旬に開始したロシア占領地の奪還を目指す反攻の遅れについて発言している。ゼレンスキーは、ウクライナ側が徐々に前進しているものの、双方が激しい砲撃を行っていると明らかにした。

ゼレンスキーはまた、反攻が遅れていたとしても「プーチンに手加減してはならない」と語った。

ウクライナ国防省情報総局のキリロ・ブダノフ局長はエコノミスト誌に対し、ウクライナの狙いはロシア国内へのドローン攻撃によってロシアの防空力を低下させ、軍事施設を無力化することだと述べている。

ロシア国内への空爆は増加しており、ロシアはウクライナを非難している。ブダノフは同誌に対し、ロシア国内のドローン攻撃は「我が国の領土を解放するための作戦を確実に促進する」と述べた。

一方、ロシア軍は先週末、ウクライナ・ハリキウ州のハリキウ、ボホドヒフ、チュフイフ、クピャンスク、イジュームを攻撃したと、地元当局が明らかにした。

クピャンスクでは17日、ロシア軍の地対空ミサイル「S300」4発によって民間インフラが攻撃された。


ヘルスケア
腸内環境の解析技術「PMAS」で、「健康寿命の延伸」につなげる...日韓タッグで健康づくりに革命を
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国で「南京大虐殺」の追悼式典、習主席は出席せず

ワールド

トランプ氏、次期FRB議長にウォーシュ氏かハセット

ビジネス

アングル:トランプ関税が生んだ新潮流、中国企業がベ

ワールド

アングル:米国などからトップ研究者誘致へ、カナダが
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 2
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 3
    受け入れ難い和平案、迫られる軍備拡張──ウクライナの選択肢は「一つ」
  • 4
    「前を閉めてくれ...」F1観戦モデルの「超密着コーデ…
  • 5
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 6
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 7
    現役・東大院生! 中国出身の芸人「いぜん」は、なぜ…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    【揺らぐ中国、攻めの高市】柯隆氏「台湾騒動は高市…
  • 10
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 5
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 6
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 7
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 8
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 9
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 10
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中