最新記事
欧州

オランダ連立政権が難民流入制限巡る対立で崩壊 秋の総選挙までルッテ首相が暫定政権

2023年7月10日(月)10時10分
ロイター
オランダのルッテ首相

オランダのルッテ首相(写真)が率いる連立政権は、難民流入制限を巡る与党内の意見対立が修復不可能となったために崩壊した。写真はアムステルダムで4月撮影(2023年 ロイター/Piroschka van de Wouw)

オランダのルッテ首相が率いる連立政権は7日、難民流入制限を巡る与党内の意見対立が修復不可能となったために崩壊した。秋にも総選挙が実施されるとみられる。

ルッテ氏が属する自由民主国民党(VVD)が、戦争を逃れて既にオランダに滞在している難民の子どもたちの入国を抑制する措置を新たに提案したが、キリスト教民主同盟と民主D66の2党が支持を拒否したことがきっかけだ。

ルッテ氏は「難民政策で連立与党間の見解がそろわなくなったのは明らかだ。残念ながらわれわれは本日、この違いが克服できない事態になったと結論付けざるを得ない。このため私は国王に内閣総辞職を伝える」と述べた。

地元メディアがオランダの選挙委員会の話として伝えたところでは、11月半ばまでには総選挙が行われる見通し。それまでルッテ氏が暫定政権を運営していく。

暫定政権になれば新しい政策を打ち出すことはできない。ただルッテ氏はオランダのウクライナ支援に影響はないと説明した。

オランダは既に欧州で最も難民受け入れ基準が厳しい国の1つだが、連立政権内の右派勢力からの突き上げを受けたルッテ氏は、さらに難民希望者の流入を絞り込む手段を模索していた。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2023トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ビジネス
栄養価の高い「どじょう」を休耕田で養殖し、来たるべき日本の食糧危機に立ち向かう
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

英4月製造業PMI改定値は45.4、米関税懸念で輸

ビジネス

日銀、政策金利を現状維持:識者はこうみる

ワールド

韓国最高裁、李在明氏の無罪判決破棄 大統領選出馬資

ワールド

マスク氏、FRBへDOGEチーム派遣を検討=報道
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 7
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 8
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 9
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 10
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中