最新記事
アメリカ政治

バイデンJrが税金未納など罪認め司法取引 現職大統領の子供の訴追は史上初、選挙に影響も

2023年6月21日(水)09時25分
ロイター
バイデン米大統領の息子ハンター・バイデン氏

バイデン米大統領の息子ハンター・バイデン氏(写真)が連邦所得税の申告を怠ったなど3件の罪状を巡り、有罪を認める方針で司法省との取引に応じたことが、裁判所の文書から20日明らかになった。2月撮影(2023年 ロイター/Elizabeth Frantz)

バイデン米大統領の息子ハンター・バイデン氏(53)が税金未納と銃所持を巡る容疑で訴追され、司法取引に応じて税金未納に関する2件の罪を認めた。銃所持についても条件付きで起訴を猶予する手続きで当局と合意した。裁判所の文書から20日明らかになった。

ハンター氏を巡っては、トランプ前大統領や共和党が長らく、ウクライナや中国で不正取引を行っていたと主張していた。2024年大統領選で再選を目指すバイデン大統領にとって痛手となる可能性がある。

裁判所に提出された文書によると、ハンター氏は17年と18年の課税所得が150万ドルを超えていたにもかかわらず、10万ドル強の税金を支払わなかった。

司法省によると、18年10月の短い期間に薬物依存を申告せずに銃を所持していた容疑でも訴追されたが、条件付きで起訴を猶予する手続きで検察と合意した。

ホワイトハウスのサムズ報道官は声明で「大統領とファーストレディ(大統領夫人)は息子を愛し、人生の立て直しを続けるハンター氏を応援している」とし、それ以上のコメントは控えた。

機密文書持ち出しなどで最近起訴されたトランプ氏はハンター氏の司法取引を批判。自身のソーシャルメディア上で「腐敗したバイデン司法省は単なる『交通違反切符』を与えることで、数百年にわたる刑事責任を清算した。われわれのシステムは破綻している!」と述べた。

テネシー大学で大統領史を専門とするアーロン・クロフォード氏によると、現職大統領の子どもが訴追されるのは今回が初めてという。

ハンター氏は20年12月、デラウェア州連邦地検が自身の税務について捜査していると明らかにしていた。捜査はトランプ氏が大統領時代に指名した同地検のデービッド・ワイス検察官が指揮し、報道によると18年には始まっていた。

関係筋によると、当初は税務関連の違反のほか、中国をはじめ海外との商取引における資金洗浄法違反の可能性に焦点が当てられた。

ハンター氏の弁護士は声明で、5年に及んだ捜査が終了したと理解していると述べた。

ワイス氏は捜査は継続していると表明した。

下院共和党によるバイデン一族の調査を主導してきた下院監視・説明責任委員会のジェームズ・コマー委員長(共和党)は、ハンター氏が「軽い処罰で逃げ切ろうとしている」と批判。同委が調査の手を緩めることはないとした。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2023トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

食と健康
消費者も販売員も健康に...「安全で美味しい」冷凍食品を届け続けて半世紀、その歩みと「オンリーワンの強み」
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米中、TikTok巡り枠組み合意 首脳が19日の電

ワールド

米国務長官、カタールに支援継続呼びかけ イスラエル

ビジネス

NY州製造業業況指数、9月は-8.7に悪化 6月以

ビジネス

米国株式市場・午前=S&P・ナスダックが日中最高値
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェイン・ジョンソンの、あまりの「激やせぶり」にネット騒然
  • 3
    腹斜筋が「発火する」自重トレーニングとは?...硬く締まった体幹は「横」で決まる【レッグレイズ編】
  • 4
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 5
    ケージを掃除中の飼い主にジャーマンシェパードがま…
  • 6
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 7
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 8
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 1
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 2
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 5
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 6
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 7
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 10
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中