最新記事
中国社会

【写真】便器横にベッド...想像以上の「劇狭ホテル」が中国で流行 人気の原因は?

2023年3月13日(月)17時40分
佐藤太郎

便器の真横で寝れるか…(写真はイメージ)Guykung1204/shutterstock

<潜入したブロガーは「部屋の匂いはちょっと微妙」。室内は、不快な匂いが立ち込めていることを示唆した>

中国で、ベッドのすぐ横にトイレがある「マイクロルーム(激狭部屋)」を1泊60元(約1170円)で提供するホテルが、中国で議論を呼んでいる。

Red Star Newsによると、この部屋の広さは8平方メートル。中国中部の河南省の省都、鄭州市の住宅街に位置するホテルという。

ことの発端は2月、ブロガーの「Hei Mao Zhang」が、動画プラットフォーム「bilibili.com」に部屋の様子を投稿したのが始まりだった。ネットで低価格の部屋を見つけ、「好奇心」で体験しに行ったという。

彼は件の部屋に3時間だけ滞在し、宿泊はしなかったが、この部屋には基本的な設備が整っているし、清潔だと話した。

とはいえ、あまりに小さな部屋では、ベッドのすぐ横にトイレがある。「部屋の匂いはちょっと微妙」とコメントしている。狭い空間にむき出し状態で便器があるせいで室内は、不快な匂いが立ち込めていることを暗に示した。

【写真】枕元に便器...いくら安くても遠慮したい配置

Hei Mao Zhangの動画から、室内には、ベッドとトイレの他に、エアコン、洗面台、鏡、コートハンガー、ケトル、換気扇、風景画が設置されていることがわかる。8平米は約4.4畳に相当することを考えると、備品が占めるスペースは多過ぎる。

「激狭部屋」のビデオは、bilibili.comで200万回、Weiboでさらに200万回再生され、投稿には数千のコメントが残され「刑務所の独房でさえ、これより大きい」と書き込まれた。

誰がどんな目的で泊まるのか?

しかし、この「激狭部屋」は需要があると、ホテルのオーナーは言う。このホテルの近所に、大型のヘルスセンターがあり、そこを利用する患者や親族から宿泊予約があるそうだ。他にも、試験準備で缶詰めするために数日間滞在する学生たちもいる。

「激狭部屋」について、あるコメンターはこう語る。「1泊60元(約1170円)ということは、1カ月で1,800元(約3万5,000円)。この金額なら、だいぶ条件の良いマンションを借りることができる。なぜ、わざわざベッドとトイレが隣り合わせの狭い部屋に住むことを選ぶ人がいるのでしょうか。憂鬱になりますね」

上海の地元テレビ局は2021年、繁華街に「カプセルホテル」がいくつか出現し、1泊のベッド代が35元(約680円)だと報じた。各客はベッドだけを提供され、トイレは共同だった。当局は、このような高密度の住人がいるホテルでは火災の危険があると指摘している。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ECB、成長率とインフレ率見通し一部上方修正=スタ

ビジネス

米11月CPI、前年比2.7%上昇 セールで伸び鈍

ビジネス

ECB理事会後のラガルド総裁発言要旨

ビジネス

ECBが金利据え置き、4会合連続 インフレ見通し一
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末路が発覚...プーチンは保護したのにこの仕打ち
  • 2
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 6
    9歳の娘が「一晩で別人に」...母娘が送った「地獄の…
  • 7
    円安と円高、日本経済に有利なのはどっち?
  • 8
    おこめ券、なぜここまで評判悪い? 「利益誘導」「ム…
  • 9
    ゆっくりと傾いて、崩壊は一瞬...高さ35mの「自由の…
  • 10
    欧米諸国とは全く様相が異なる、日本・韓国の男女別…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 6
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 9
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 10
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中