最新記事

ドキュメンタリー

2人の人生を分けたもの──「性的対象」だったブルック・シールズとパメラ・アンダーソン

Another Wake-Up Call

2023年2月15日(水)16時12分
キャット・カーデナス
ブルック・シールズ,パメラ・アンダーソン

女であるがゆえに理不尽な闘いを強いられてきたブルック・シールズ(左)とパメラ・アンダーソンのドキュメンタリーは不都合な真実を突き付ける PHOTO ILLUSTRATION BY SLATE. PHOTOS VIA ABC NEWS STUDIOS/HULU AND NETFLIXーSLATE

<話題となった女性の半生を振り返るドキュメンタリー映画が増えている。セレブの過去が物語る性搾取の闇と、社会に潜む女性蔑視の実態とは?>

何かと話題になった女性の半生を振り返る──このところ、そんな趣向のドキュメンタリーが目立つ。対象は女優でも歌手でも、モデルでもいい。自分の言動で騒ぎを引き起こした人もいれば、たまたま脚光を浴びてしまっただけの罪なき傍観者もいる。

いずれにせよ、ブリトニー・スピアーズと父親の確執に焦点を当てた『フレーミング・ブリトニー・スピアーズ』(2021年)が公開されて以来、私たちは他人のプライバシーに土足で踏み込む罪を喜々として繰り返す一方で、そうした罪を作品化して再検証することにも熱心になっているようだ。

今年も、このジャンルの話題作が2つ。「主役」はブルック・シールズとパメラ・アンダーソンだ。どちらもスピアーズ同様、幼い頃から性的な存在として扱われてきた。

1月のサンダンス映画祭でお披露目された『プリティ・ベビー ブルック・シールズ』(ラナ・ウィルソン監督)は2部構成で、今春にはHuluで配信予定。一方の『パメラ・アンダーソン、ラブ・ストーリー』(ライアン・ホワイト監督)は、1月末からネットフリックスで独占配信が始まっている。

この2人には共通点がたくさんある。メディアに翻弄され搾取されてきた、性的暴行のトラウマを抱え、流産を経験し、親しい人に支配されてきた......でも改めて並べて見ると、際立つのは2人のたどった道の違いだ。

ブルック・シールズは若い頃、母親テリ・シールズに支配されていた。まずはアイボリーせっけんの広告で、赤ちゃんモデルとしてデビュー。12歳で映画『プリティ・ベビー』(1978年)に主演し、幼い売春婦の役で裸になった。これで人気に火が付いたが、児童ポルノではないかという議論も巻き起こした。

14歳ではカルバン・クラインのジーンズの広告(「私とカルバンの間に何があると思う? 何もないの」)に出演。孤島が舞台の青春映画『青い珊瑚礁』は14歳、恋愛映画『エンドレス・ラブ』は15歳の時に撮影された作品で、どちらにも複数のヌードシーンがあった。

「あの頃から、私は割り切るってことを知っていた」。当時の自分が演じた役柄について、シールズはそう言っている。「生き残るためにね」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

楽天G、金融事業の再編協議を再開 銀行やカードの集

ビジネス

伊藤忠、伊藤忠食品に1株1万3000円でTOB 完

ビジネス

ドイツ消費者信頼感、3月は予想外の悪化 購買意欲低

ビジネス

日経平均は大幅続伸、史上最高値更新 日銀人事が追い
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
2026年3月 3日号(2/25発売)

フィンテックの進化と普及で、金融はもっと高速に、もっとカジュアルに

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 2
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 3
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 4
    3頭のクマがスキー客を猛追...ゲレンデで撮影された…
  • 5
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
  • 6
    最高裁はなぜ「今回は」止めた?...トランプ関税を違…
  • 7
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 8
    【クイズ】サメによる襲撃事件が最も多い国はどこ?
  • 9
    「IKEAも動いた...」ネグレクトされた子猿パンチと「…
  • 10
    「極めて危険」──ゼレンスキー、ロシアにおける北朝…
  • 1
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
  • 2
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 3
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 4
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
  • 5
    「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官…
  • 6
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 7
    海外(特に日本)移住したい中国人が増えている理由.…
  • 8
    100万人が死傷、街には戦場帰りの元囚人兵...出口な…
  • 9
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 10
    ロシアに蔓延する「戦争疲れ」がプーチンの立場を揺…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 5
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 6
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中