最新記事

ロシア

一般人に紛れ、常にプーチンの背後に控える「謎の金髪美女」が話題に...何者なのか?

Speculation Swirls as Putin Accused of Using Same Woman in Multiple Photos

2023年1月4日(水)15時36分
トーマス・キカ
プーチンの新年演説

新年を迎える直前に行われた恒例のプーチンの演説(2022年12月31日) Sputnik/Mikhail Klimentyev/Kremlin via REUTERS

<ある時はロシア軍兵士、ある時は船乗り、またある時は敬虔な宗教関係者──。ネットで注目が集まる女性の正体とは>

ウクライナへの侵攻を開始して以降、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は国民を鼓舞するテレビ演説などを何度も行ってきた。だが、それらの映像のなかに、「同一人物」とみられる女性が様々な立場の人物として繰り返し登場していることが発見され、憶測と嘲笑が飛び交う事態となっている。

■【写真】俳優? 他人の空似? なぜかプーチンの近くには、いつもこの「謎の金髪女性」の姿が......

この奇妙な騒ぎの発端となったのは、昨年末にロンドン在住のベラルーシ人ジャーナリストであるTadeusz Giczanによるツイートだった。彼は、プーチンが別々の場面で民衆の前に立つ3枚の画像を投稿。1枚目は兵士の前、2枚目はボートに乗った船員たちの前、3枚目は宗教関係の行事に参列する信者たちの前で撮影されたものだ。

まったく違う場面で撮影されたはずのこの3枚の写真(動画)だが、それらのなかになぜか同一人物とみられる金髪の女性が写っていると、Giczanは指摘した。それも最前列のプーチンの真横あたりの場所が割り当てられているため、ロシア当局が何らかの意図をもって彼女を写真撮影の列に送り込んでいるのだろうという印象を受ける。

Giczanはツイートで、「兵士、船員、敬虔なキリスト教徒。神はミステリアスな方法で動く」としている。

ほかにも2枚の写真に登場する人物が

このツイートに反応したCNNのClarissa Ward特派員は、女性の身元と役割について疑問を投げかけている。写真の見栄えを良くするために起用された俳優なのか、それとも様々な場面においてプーチンのすぐ近くに控えていなければならない何らかの理由があるのか......。

「彼女は誰? ボディーガード? 俳優?」とWardはツイートした。さらにWardは、「右側の(2枚の)写真には、ほかにも両方に写っている人物がいる」とも指摘した。

さらに別のジャーナリストたちによる謎解きは続き、「兵士たちとの写真」は新年を迎える直前にテレビ放送された演説の時のもので、「礼拝者たちとの写真」は22年のイースターの演説の際に撮影されたものだとされた。そして話題の女性を含む写真の中の人々は、プーチンの警備隊から選ばれた「民衆」役だという声も上がっている。

ウクライナのアンドリー・ザゴロドニュク元国防相も、こうした指摘に対して「間違いない。驚く人もいないだろう」とした。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ベトナム国会議長、「違反行為」で辞任 国家主席解任

ビジネス

ANAHD、今期18%の営業減益予想 売上高は過去

ワールド

中国主席「中米はパートナーであるべき」、米国務長官

ビジネス

中国、自動車下取りに補助金 需要喚起へ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 5

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 6

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 7

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 8

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 7

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 8

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中