最新記事

ウクライナ侵攻

「国民の99.9%は喜んですべてをロシアに捧げる用意」とプーチン

Putin Insists 99.9 Percent of Russians Ready to 'Sacrifice Everything'

2022年12月26日(月)17時22分
トーマス・キカ
プーチン

Sputnik/Sergey Guneev/Pool via REUTERS

<ウクライナ侵攻のための部分動員令で男性の大量出国を招いたことは「なかったこと」に?>

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、ウクライナ侵攻が続く中で99.9%のロシア人は国のためなら喜んで命を犠牲にするだろうと語った。

これはプーチンが12月25日、国営放送ロシア1で放送されたインタビューで語ったもの。ロシア国営タス通信によればプーチンはこのインタビューで、過去数カ月、そして「ロシアが存在する歴史全体を通じて」、ロシア国民の国家に対する献身を改めて確信したと述べたという。

「ほとんどの──99.9%の国民は、すべてを祖国のために犠牲にする心構えができている」とプーチンは述べたという。「それ自体は異例のことだとは思わないが、私は改めて、ロシアが特別な国であり、その国民は特別な存在だとの思いを新たにした」

また、プーチンの目的に反する行動を取る者について意見を問われると、「真の愛国者ではない」と切って捨てたものの、「選択の自由」を持つ権利は誰にでもあるとも語った。

動員から逃げたのは「一部の人々」?

「一部の人々が真の愛国者のように行動しないという事実は、別に驚くに値しない」とプーチンは言った。「いかなる社会においても、自分自身の利益つまり自分自信の都合(だけ)を考える人は常にいるからだ。正直なところ、私はそういう人々を非難するつもりはない。いかなる人にも選択の自由はある」

どういった行為が自分の計画に反するのか、プーチンは具体的には言及しなかった。ロシア政府はこの秋、ウクライナ侵攻のための動員を行ったが、それを嫌って出国する人が相次ぐという事態に見舞われた。

プーチンは9月、ロシアでは第2次世界大戦後初となる部分的動員を発表。ところがこれに対し、10月4日までに37万人を超えるロシア人男性が動員を逃れるためにカザフスタンやフィンランドやジョージア、モンゴルなどの周辺諸国に出国した。その数はカザフスタンだけで約20万人に達したという。本誌の調べでは、プーチンが動員を発表した翌日には、ジョージアに向かう車が約10キロにもわたる列を作ったことが分かっている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=ドルが158円台乗せ、日銀の現状維持

ビジネス

米国株式市場=上昇、大型グロース株高い

ビジネス

米PCE価格指数、インフレ率の緩やかな上昇示す 個

ワールド

「トランプ氏と喜んで討議」、バイデン氏が討論会に意
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 5

    アカデミー賞監督の「英語スピーチ格差」を考える

  • 6

    大谷選手は被害者だけど「失格」...日本人の弱点は「…

  • 7

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    「性的」批判を一蹴 ローリング・ストーンズMVで妖…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中