最新記事

ウクライナ情勢

ウクライナ・ゼレンスキー、南部攻勢で「ロシア軍は逃亡を」 IAEAトップと会談も

2022年8月31日(水)10時39分

ウクライナのゼレンスキー大統領は南部奪還に向けて反転攻勢を開始したことを受け、ロシア軍に逃亡を促した。写真は29日、破壊されたミコライウの住宅。ソーシャルメディアより(2022年 ロイター)

ウクライナゼレンスキー大統領は30日、南部奪還に向けて反転攻勢を開始したことを受け、ロシア軍に逃亡を促した。一方、ロシア側は攻撃を撃退し、ウクライナ軍に大きな損害を与えたと主張した。

ウクライナ南部軍司令部は前日、ロシア軍に対する反撃をヘルソン地域を含む南部で開始したと発表した。

ゼレンスキー大統領は30日夜の演説で「もし生き延びたいなら、ロシア軍は逃げ出すときだ」とし、ウクライナが領土を奪還しつつあると述べた。また、戦闘計画については詳細を明かさないとした。

これに対し、ロシア大統領府のペスコフ報道官は、ロシアはウクライナでの計画を整然と進めているとし「われわれの目標は、全て達成される」と強調した。

激しい戦闘

ウクライナのオレクシー・アレストビッチ大統領顧問は、ヘルソン地域におけるロシア軍の防衛線は「数時間で突破した」と指摘。ただ、数多くの防衛線のうちどれを指しているのかは不明。

また、アレストビッチ氏は、ウクライナ軍がドニエプル川西岸でロシア軍が補給に使用しているフェリーを砲撃していると述べた。

ウクライナ軍の報道官は30日、ロシアが建設しようとした舟橋やフェリーを破壊したと明らかにした。

英当局は、ウクライナが南部戦線全域で砲撃を強化したが、領土奪還の程度を確認することは、まだできないと述べた。

ザポロジエ原発が焦点に

一方、ロシア軍の管理下にあるウクライナ南東部のザポロジエ原子力発電所を巡っては、ウクライナ軍が過去24時間に砲弾2発を発射し、原発の使用済み燃料貯蔵棟周辺で爆発させたとしてロシア国防省が非難。ウクライナ側からは直ちにコメントは得られなかった。

ロシアによると、放射線量は正常だという。

国際原子力機関(IAEA)の調査団は今週、欧州最大の同原発を訪れ、検査や損害の評価を行う。ウクライナ大統領府は、IAEAのグロッシ事務局長が30日に首都キーウ(キエフ)でゼレンスキー大統領と会談したと明らかにしたが、詳細には触れなかった。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2022トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ウクライナ南部オデーサに無人機攻撃、2人死亡・15

ビジネス

見通し実現なら利上げ、不確実性高く2%実現の確度で

ワールド

米下院、カリフォルニア州の環境規制承認取り消し法案

ワールド

韓国大統領代行が辞任、大統領選出馬の見通し
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 7
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 8
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 9
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 10
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中