最新記事

電気自動車

ここまで来たベトナムのEV、アメリカに進出

Vietnamese Automaker VinFast Plants an Electric Foot in the American Market

2022年7月4日(月)12時45分
ジェイク・リンゲマン

充電サブスクリプションプログラムは「フレキシブル」と「フィックス」の2種類。「フレキシブル」プランは、走行距離が少ない人向けで、VF8とVF9については月額35ドル。月間310マイル(約500キロ)までの基本料金で、それを超えると1マイル(約1.6キロ)あたりVF8で約11セント、VF9で約15セントの追加料金がかかる。

vf6blue.jpg

米運輸省によれば、平均的なアメリカ人が1日に車で走行する距離は39マイル(約63キロ)。つまり1カ月の走行距離は、基本の310マイルをわずかに超える約390マイルということになる。VF8なら1カ月あたりの追加料金が9.9ドル、VF9なら13.5ドルになる計算で、毎月の支払額はそれぞれ44.9ドルと57.5ドルになる。

「フィックス」プランは走行距離が無制限で、月額料金はVF8が110ドル、VF9が160ドル。車の持ち主が変わった場合、このポリシーも自動的に新しいオーナーに引き継がれるようになっている。

ウェストブルックは、こう説明している。「当社顧客のさまざまなニーズにマッチするよう、すべての市場で同じバッテリーのサブスクリプションポリシーを適用する。具体的には、「フィックス」(無制限の走行距離)もしくは「フレキシブル」の2プランだ。これは、ビンファストの優れた販売ポリシーの1つであり、2023年末までに販売されるすべてのEVについて、事前に予約登録をした顧客に適用される」

ビンファストは現在、パートナーとなるローン会社や、リースの条件、契約について詰めているところで、まもなくさらに詳しい情報を発表する予定だとしている。

VF7.jpg

ウェストブルックによれば、このサブスクリプション・ポリシーは、同社の自動車をより購入しやすくするために設けられた。これにより初期費用が抑えられ、長期的なバッテリー性能が気がかりだというドライバーにも安心感を与えることができる。ビンファストは、バッテリーに関して永久保証を謳い、充電・放電容量が70%以下になった場合にはバッテリーを交換するとしている。バッテリー技術は進化するという特性を踏まえ、クルマの購入者には、最新技術を用いたバッテリーが提供される。

フォードやヒョンデなど既存の自動車メーカーも、バッテリー保証制度を用意している。フォードの保証は、8年間か10万マイル(約16キロ)まで、修理、交換、調整を行い、バッテリー容量は70%を維持するとしている。ヒョンデの場合は、バッテリーを含むパワートレインについて、10年間、10万マイルの保証を提供する。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国、ガリウムやゲルマニウムの対米輸出禁止措置を停

ワールド

米主要空港で数千便が遅延、欠航増加 政府閉鎖の影響

ビジネス

中国10月PPI下落縮小、CPI上昇に転換 デフレ

ワールド

南アG20サミット、「米政府関係者出席せず」 トラ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 2
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一撃」は、キケの一言から生まれた
  • 3
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった...「ジャンクフードは食べてもよい」
  • 4
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 5
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 6
    レイ・ダリオが語る「米国経済の危険な構造」:生産…
  • 7
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 8
    「非人間的な人形」...数十回の整形手術を公表し、「…
  • 9
    「豊尻」施術を無資格で行っていた「お尻レディ」に1…
  • 10
    「爆発の瞬間、炎の中に消えた」...UPS機墜落映像が…
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 6
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 7
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 8
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 9
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 10
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中